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短編『何も気にならなくなる薬』その179

「毎日なんて物は退屈だ」
彼はよくそう愚痴をこぼす。
朝目覚め、顔を洗い、お湯を沸かす。
コーヒーを入れてトーストを食べる。
そうして布団の中にいる相方に声をかける。
「あぁ、もう朝か、また退屈な一日が始まる」
誰が彼を退屈にしているのだろうか。

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「その服、新しく買ったのか」
「いいベストだね」
「そうかい?二人に言われるとなんだか嬉しいね」
「しかし、変わった着回しだ」
「まったくだ」
「そうかい?二人に言われるとなんだか悲しいね」



美味しいご飯を食べます。