親の呪い

10月2日の日曜。
令和になって初めてのテレビシリーズのガンダムの初回放送。
あまり地上波で週間で放送されるアニメを観ないくちだったが、プロローグの出来栄えが当初聞いていた「学園もの」というのとはかけ離れたガンダムらしいシリアスなものだったので、
「この先どんな学園ドラマに仕立てるつもりなんだ?」という興味が勝り、夕方17時にテレビの前にかじりついた。

Twitterでトレンドになっていたように、巷では「百合アニメ」と言われるような、女の子同士が学園内の決闘によって許嫁を決めて結ばれるという、
なんか90年代からあるような設定を持ち出してきたなぁというのが第一印象だったわけだが、前提となるプロローグで描かれた戦争における兵器の在り様と企業間対立からなる争いの関係者の子供たちという図式が、この作品をただの百合アニメとして消費させないようにしている

第一話だけ観るとただの学園百合ものに見えるが、
あのプロローグのせいで第一話で描かれた政略結婚やガンダム(GUNDフォーマット)が存在しないこと、主人公のスレッタが何故敵の巣窟とも言える学園に入学してきたかという部分が、
親が子に背負わせた呪いの集合体にしか見えない
公式HPには今回テーマソングを担当したYOASOBIの「祝福」の歌詞の元となる短い小説が公開されており、
そこには明確にスレッタは母親の復讐のために学園に入学されたことがわかる(しかも本人はそのことを認知しておらず)。

また、この小説ではスレッタの母親は地球圏においては魔女と揶揄されているが、プロローグにおいてガンダムルブリスを起動できたのは母親ではなく4歳児の娘の方であり、魔女の名に相応しいのはむしろ娘の方である。
なので、もしかするとプロローグと本編とでは主人公は二世代後の人物の可能性があり、
そうなった場合、主人公スレッタの母親が抱く復讐心は世代を跨いでも尚固執させるほどの呪いというに相応しい執着心が考えられる。


親の望みがそのまま子に乗っかってしまっている今回のガンダム。
それを呪いと一蹴するには躊躇えざる得ないほどスレッタは母親を慕っている
同様に今回スレッタの許嫁となったミオリネの父親がスレッタの親族を殺した張本人であるという敵の子であることもあり、
今後、二人は親からかけられた呪いにどう向き合うかという壁にぶち当たるだろう

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