フロムソフトウェアの今後の行方

先日、とある記事が話題になった。
内容はアーマードコアの新作らしき内容と数点のスクリーンショット。
事の真相に関しては現時点でフロムソフトウェア公式からの見解はないので、巷に転がる噂程度の情報だが、つい最近にはこんな記事も出た。

少し前に書いたように、アーマードコアというシリーズには確固たる個性というものを定義づけることが難しいシリーズである。
Switchで発売された「デモンエクスマキナ」のようなアニメらしいテイストになる可能性も否定できないほど、シリーズ通して幾多の変革を経験しており、我々ファンが想像していなかった進化を遂げる可能性がおおいにある。
しかしながら、アーマードコアというネームバリューは日本のみならず海外でもそれほど強力なものではないという現実の中で、シリーズ再起を図るにはグラフィックといったわかりやすい方向性の進化を示さないと、開発費高騰でソフトの本数が各社絞り始めている世の中で躍進するようなタイトルにはなりづらい

そんな中で発売される「エルデンリング」は、次世代機を代表するような革新的な作品というわけではなく、ダークソウルシリーズの正統進化という名目で開発されているということが明言されている。
しばしばこのエルデンリングについてを「フロムソフトウェア史上最大規模」と言ったりするように、あくまで業界におけるAAAタイトルに匹敵するような作品ではないということは開発自らが公言しており、フロムソフトウェアの世の中の評価と知名度に対して、会社の開発力と言った規模そのものはそれほど大きなものではない。

Blupointによってリメイクされた「デモンズソウル」のグラフィックがCAPCOMやスクウェア・エニックスといった大手が手掛けた作品と同等のクオリティを生み出したことについて、上の記事で書かれているように、

フロムソフトウェア自身が業界の流れに後れをとっていることについて危惧しているとことがわかる。

そういった背景を加味して、今後発売されるエルデンリングが担う役割として示唆されるのは、現状会社が持っている技術的、人的リソースがどれほどのものかを示す指標のような作品になっているのかもしれない
すなわち今後のフロムソフトウェアを占う土台のような役割としてエルデンリングが存在していると。

画像1

そういった意味で言うと、今回噂されているアーマードコアの新作と言われているこのスクリーンショットも同様に、次世代機で発売という意味ではそれほど画期的なものには見えない
特に機体のデザインやブースターの炎が肩からも出ている点は、AC4以降の、それこそ宮崎氏が担当した作品からスタンダード化したものだ
仮にこれがアーマードコアの新作だったとして、恐らくはエルデンリング同様に後のシリーズの礎としての土台作りのための作品と言える。



こう書くと今後発売される新作に対するネガティブな意見にも見えるが、フロムソフトウェア(に限った話ではないだろうが)は2000年以降の発売ラッシュで、新しいハードで挑戦的で実験的なものを生み出してきた歴史がある。
近作ではVR専用という敷居の高さのままで発売した「Déraciné(デラシネ)」の例もあるし、ダークソウルの一作目はまさしく実験という意味合いも強かった(故に不具合も多かった)。

今後フロムソフトウェアが技術的な躍進を得るための地盤固めとして、ダークソウルの正統進化系「エルデンリング」と、
待ち望んだ久しぶりの新作「アーマードコア(?)」が立て続けに出ようものなら、
それは10年前に成し遂げられなかった2大看板タイトル化への道のリベンジになるのかもしれない。

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