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あるカーデザイナーのクルマ選び004

さてエンジンはというと、改造にはお金もかかるので、点火コイルをトランジスタにかえ、点火タイミングを極限まで調整し、パワーというよりレスポンス重視でした。と言っても元がTTCーLという触媒ではなく希薄燃焼型の排ガス対策エンジンなので、気休めなのですが、それでどこまで頑張るかという変なこだわりで楽しんでいました。

そして、足回りはホイールとタイヤに加え、後にアブソーバーのみをカヤバに交換しました。当然、レビン/トレノの物が使えると思っていたら、何とリアサスはリフトバック(ハッチバック)という使い勝手を考慮して専用設計になっていたようで、流用ができないことがわかり、何か方法はないかといろいろ調べました。

当時はネットでググることはできないので、いろんなアブソーバーの仕様表を見比べたりして、どうも、いすづフローリアン バンのアブソーバーが使える、しかもそれに合うカヤバ製のスポーツショックがあるという事がわかり、それに交換しました。なぜカヤバにそんな仕様があったかは定かではありません。人気がなかったのか、思ったより安く手に入れられたような記憶があります。

着け心地はというと、フロントは硬くはなったことでロールも抑えられ、踏ん張りも伸びも効いて、ステアリングの応答性も良くなりワインディングを楽しめる感じになりました。しかし、リアは硬くなり過ぎで、高速道路のICのカーブの継ぎ目でピョンピョン跳ねまくり、ノーマルより慎重さが必要とされる状態になってしまいました。

初期の頃のS2000に近かった感触です。リアだけノーマルに戻す手もあったのですが、せっかくバイトで貯めたお金で買ったアブソーバーだし、苦労して見つけたので、使わないという選択肢はなかったです。あの頃メルカリがあったら違ったのでしょうね。

それに、実家の父の工場のサニーバンでよく大阪と奈良の県境にあった阪奈道路の大阪側下りで、橋の高速コーナーを走っていたので、リアの横っ飛びには慣れていたのかもしれません。関西の方ならわかると思いますが、大阪側からの登りもヘアピンが続く楽しい道で、スムースなシフトやステアリング操作の練習には最適な道でした。そのリアサスは荷物を積んだり、リア席に人を載せると、丁度良い感じにしっとりしていたので、やっぱりバン用という事だったのかもしれません。

つづく

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