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あるカーデザイナーのクルマ選び044


子供たちは、アメリカ系インターナショナルスクールに通っていたので、家の前からスクールバスで3、40分離れた学校への登下校でした。

しかし、妻が何かと学校に行く事もあり、その際はCRVを運転する必要がありました。

学校は自宅より更に郊外方向に位置するので、車の乗り入れ制限などはないのですが、そこはイタリア、割り込みや荒っぽい運転は当たり前の環境でした。

ヨーロッパの交差点はランナバウトという周回路を介して進む方向への枝道に分かれて行くのですが、右側通行でのこれも、慣れるまでには時間が必要となります。

後にイギリスに引越し、左側通行でのランナバウトになり、また混乱することになるのですが、この時の妻にとっては、そんな事は想像もしていなかったと思います。

最初はランナバウトに入れず、もたもたしていると容赦ないクラクションの嵐になるし、うまくランナバウトに合流できても脱出できなかったりと、苦労していました。

まあ、混み合っている所では大きな事故になることは少ないので、車が傷つくことは気にせず、安全第一でがんばってもらうしかありませんでした。

妻は、アメリカでは運転していたものの、日本に帰国してからは、毎日運転する事もなく、そして今度は荒いイタリアでの運転となり、申し訳ないと思いましたが、人間は慣れて行くもので、イタリアを離れる頃には割り込んできた車に窓から手を出して、文句を言うほどになっていました。

思えば、ずるい割り込みは本当に多いのですが、そのやり方も上手いというか鮮やかで、してやられたり!と関心するほどの事もありました。

そして、絶対にぶつけない。

クラクションや顔を出して大声で文句言ったりはするが、今の日本のように、執拗に煽り運転をしてくることはなく、意外とその場で終わるのが不思議でした。

お互いにギャーギャー言ったら、それで満足して終わりという感じでした。

郷に入っては郷に従えで、私も妻も、そういう時は溜めないでその場で発散、という感じで意外にさっぱりしていたように思います。

日々のCRVはそんな環境でしたが、週末は家族でドライブ旅行に出かける機会もありました。


つづく

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