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坂口安吾(キッズのすがた)の相棒ポケモンはカブリアスであろう話

アローラ、宮脇と申します。

今回はラジオにしようと考えていたネタを、解説が複雑であるため、noteの方で紹介させてもらいます。

日本が誇る一大コンテンツ、「ポケットモンスター」。今の20~30代の世代であれば、誰しも一度は触れたことのあるコンテンツでしょう。

僕はポケモンユナイトでしかまともにプレイしたことのない異端者なのですが、実況動画で本編の方もほどほどに楽しませて貰っています。

さて、アニポケ主人公サトシの相棒が、本シリーズの顔とも言えるピカチュウであるように、相棒ポケモンとでも言うべきポケモンが存在します。例えば、タケシの相棒はイワーク、少し前に話題になったナンジャモの相棒はハラバリーというように。

自分の相棒ポケモンは何がいいかな(僕はホイーガが全ポケモン中一番好きです←やっぱり異端者)と考えていると、突然あるアイデアが浮かんできました。

坂口安吾の相棒ポケモンはガブリアス以外考えられない……」

意味不明記事オブ・ザ・イヤー筆頭(2023/03/30現在)ですが、以下にその理由を示していこうと思います。

1.ガブリアスとは?

ガブリアスとは、図鑑No.0445のマッハポケモン。タイプはドラゴン・じめんで、1.9m・95㎏のサイズ感(実質大谷翔平)。

そのデザインもよいが、特筆すべきはその戦闘能力。

ポケモンにはそれぞれ種族値と呼ばれる能力値があり、HP-攻撃-防御-特攻-特防-素早さの6個の値がポケモンごと(種族ごと)に決まっている。

6個の値の合計値(合計種族値)が高ければ高いほど強いことは間違いないが、ポケモンバトルにおいてはその配分バランスもまた重要

例えば素早さの値はポケモン対戦において先行・後攻に影響するが、1速いか1遅いかでそれが決まってしまう。中途半端に素早さ種族値が高いぐらいであれば、その値が攻撃やHPに回されている方が強い場合がある。

また、攻撃に対する防御が高くとも、特攻(特殊攻撃)に対する特防(特殊防御)が低ければ、特攻の値が高い相手ポケモンに対処しにくくなるため、扱いが難しくなるといえる。

さて、そんな奥の深い種族値配分であるが、ガブリアスの種族値は108-130-95-80-85-102(合計600)。速くて硬くて強い実質牛丼)。

詳しくは上記動画を見て頂きたいのだが、「無駄を極限までそぎ落としたボディービルダー」のような美しさがそこにはある。これにはザックレー総統も「これ以上の芸術作品は存在し得ないでしょう」と太鼓判を押してくれるはず。

2.坂口安吾の「美」とは?

ここで話をぶった切って、坂口安吾の考える「美」について少々触れたい。端的に言えば、「実質的な物にこそ美が宿る」ということだ。

美は、特に美を意識して成された所からは生れてこない。どうしても書かねばならぬこと、書く必要のあること、ただ、そのやむべからざる必要にのみ応じて、書きつくされなければならぬ。ただ「必要」であり、一も二も百も、終始一貫ただ「必要」のみ。そうして、この「やむべからざる実質」がもとめた所の独自の形態が、美を生むのだ。
~中略~
見たところのスマートだけでは、真に美なる物とはなり得ない。すべては、実質の問題だ。美しさのための美しさは素直でなく、結局、本当の物ではないのである。

坂口安吾/日本文化私観

「108-130-95-80-85-102」は、見た目の美しさを優先した場合、「100-130-90-80-80-120」したほうが一見スッキリして見える。

しかしながら素早さ種族値102の「2」が、ポケモン対戦で効果的に先攻を取る「必要」から生まれた「やむべからざる実質」であると気が付いた瞬間に、我々は美しさを感じてしまう。

そしてその美しさは、安吾が80年前にすでに指摘していたものと同種なのである(恍惚)。

3.もし安吾少年が現代日本にいたら

もしも坂口安吾が21世紀の日本に生れ落ち、一般的な少年時代を歩んでいたら、その無駄の無さに惹かれ、彼の相棒ポケモンはガブリアスになっていただろうというのが今回のオチ。

さらに言えば、ガブリアスの種族値に「美」を見出したトレーナーの諸兄・諸姉は坂口安吾を読む才能があるのでぜひ読んでみてください!(著作権が切れているから無料で読めちまうんだ!)

最後まで読んでいただきありがとうございます。
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ラジオでもこんな与太話理屈っぽい話をしているので良ければ聞いてください。

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