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古今集 巻第五 秋歌下 305番
亭子院の御屏風のゑに、川わたらむとする人の、紅葉のちる木のもとに、馬をひかえてたてるをよませたまひければ、つかうまつりける
みつね
立ちどまり見てを渡らむもみぢばは雨とふるとも水はまさらじ
宇多上皇の御所の御屏風の絵で、川を渡ろうとする人が紅葉の散る木の下で馬を引いて立っている様子を、歌に詠ませなさったのでお詠み申し上げた歌
凡河内躬恒
立ち止まって眺め見てから、ああ、渡ろう、紅葉の葉は雨のようにたくさん降っても水かさは増えないから
この美しい景色をゆっくり眺めよう、紅葉はいくら降っても困らないから、ということですが、ご譲位なさった宇多上皇のおそばにゆっくりと控えているのは嬉しいことだというような意味もあると思います。
「見てを渡らむ」の「を」は間投助詞で感動とか詠嘆を表します。現代なら、○○でね、などのような「ね、さ、よ」みたいな感じです。
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