題しらず
つらゆき
つの国のなにはのあしのめもはるにしげきわが恋人しるらめや
題知らず
紀貫之
摂津の国の浪速の葦の芽が張るように、見るみると広がって絶え間なく悩むわたしの恋心をあの人は知っているだろうか
「津の国の浪速の葦の芽も張るに繁き我が恋人知るらめや」
上の句は繁きに掛かる序詞です。葦の根がどんどん張るように自分の恋心もどんどんと大きくなるけれども、水の中で根が張るのと同じで、恋心も人には見せません。あの人も知らないだろうなあ、という歌です。
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