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森博嗣「Wシリーズ」 概念BGM 妄想解釈垂れ流し全曲レビュー

こんにちの!
また変な記事を書きます!ちのです!

まず何事か説明します。
前置きにお付き合い下さい。

※森博嗣著「Wシリーズ」「WWシリーズ」の内容に触れる記事です。
未読の方の閲覧は自己責任でお願いします。


「概念BGM」とは?
「○○っぽい」と思わせるBGM。
歌詞や楽曲の世界観が作品やキャラを想起させたり、解釈によって当てはめることが出来るなど、対象の「概念」を感じることができるもの。


概念BGMって、たまに見つけるとテンション上がりますよね。
しかし、探すのはなかなか難しかったりします。

特に、私の推し、森博嗣先生著作、
超絶おもしろSFシリーズである、
百年シリーズ・Wシリーズ・WWシリーズ
に関しては、捜索が難航していました。

何故なら、この森ミス未来編と言える作品群を読むにあたって、私の頭の中に流れるBGMは、
ざっっっっくり言うと、
「ケルト × エレクトロ」
という、なかなかに稀有なジャンルだからです。

ざっくりケルト音楽
バグパイプやフルート、バイオリンなどを使う、北欧文化圏の民族音楽。

ざっくりエレクトロニック
この記事ではEDMやdubstepなどを含む、
所謂バキバキ電子系の音楽。

ナクチュや砂の曼荼羅のようなエスニックさ、
バーチャルやトランスファの未来感
両極に感じるジャンルのハイブリッドが、
私個人が持っている、未来編の概念です。

ないのよ。

そんな曲ぁ〜ないんじゃ!!滅多に!!
私のサーチ能力不足もあり、なかなかドンピシャを見つけられずにいました。

ところが!!ついに!!!先日、
これはだいぶ?!Wじゃん?!!??!
という楽曲に遭遇しまして!
ちの、バリテンアゲ。
しかも、見つけた1曲から芋づる式に、
収録アルバム全曲の概念化に成功!!!!
幸しかねぇが!!!!!!

というわけでこの記事は、
そのテンションの産物です。

まじで、ちの氏の「個人的」しかないです。
しかも曲を紹介するだけでなく、
妄想解釈の垂れ流しレビューまでやりきってしまう、
狂った企画です。

それってあなたの感想ですよね?
はい。ニコニコ

補足
分かりやすく「Wシリーズ」と銘打ちましたが、
百年やWWまるっとのイメージでもあり、
特にWWからはに登場してもらいます。


では、お手持ちの、
ヘッドホン・イヤホンをご用意ください。
(ちゃんと低音を拾って欲しいので)

準備が出来たら、早速いきましょう!




The SIDH 「Nigredo」

これが、その概念アルバム「Nigredo」全12曲。
アーティストは「The SIDH」

The SIDH
イタリアのバンド。リズム、ギター、ベース、バグパイプの4人組。ジャンルはモダンケルティックを自称している。
SIDHはゲール語(アイルランドの公用語)で「妖精」の意味。


今回はアーティストへのリスペクトを込めて、
アルバムの収録順に沿って紹介します。

ちなみに、私が勝手につけた概念タイトルはこちら。


いや勝手にタイトルすな!!!!!!
(リスペクトとは)

やたら「〜」を使ってるのはわざとです。
(ありがちな感じをだしたかった獣)

では!一曲ずついきましょう!

▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎

The SIDH 「Nigredo」


01. Utopia  「総力戦〜銃とトランスファ〜」

いきなりテンションMAXの、
バッッキバキ戦闘シーンからスタート!
ウグイやアナバネに遅れるな!

チーム・ハギリの危機。
天啓のごとくデボラから警告。
直後の轟音、吹き飛ばす圧力。
ギリギリで回避しつつ攻撃に転じるアネバネ。
「先生!こちらへ!早く!」
飛散した瓦礫を盾にするウグイ。
銃声、爆発、回避、セキュリティ突破!
中盤には敵勢力の大型軍事ウォーカロン登場。
劣勢かと思われたその時、
現れたのはカタナを携えたデミアン。
デボラを伴ったキガタの目が赤く光る。
原題のUtopia(理想郷)がスーパーアイロニー。
アルバムの中でもEDM要素が特に強く、アゲ。


02. Osiris  「悠久の知能たち」

アミラ、オーロラ、ベルベット、
そしてマガタ・シキ……。
壮大な知能の広がりを感じる曲。

遥かな時が流れていく空間に、響くフルート。
すべてを見通すような、慈愛の声。
そこから現れる、
水面下で世界を統べる者たちの威厳
ネットワークの網目が万華鏡のように廻る。
けれど彼女たちの姿は、我々の目には見えない。
原題のOsirisはエジプト神話における冥府の神
暗闇に光る瞳だけの、静かな終わり。


03. Nigredo  「閃きの回路」

人間であることの証左。
閃光のように走る思考、次々とリンクする事象。
そこから予想の外への飛躍が加速する。

「そうか……」本質に気づくハギリ。
気流を掴んで高度を上げる鳥のように、
渡る連想、不意の連鎖、
人間にしかできないこと。
原題のNigredoとは、錬金術の工程のこと。
切迫するパートの間に突然挟まる、
自由に飛行するようなフルートの対比。


04. Tamu  「WHITE」

ウォーカロン製造メーカー5社による連合組織、
WHITE。その強大な権力。
重厚感と威圧感に満ちた曲。

工場の機械音のようなサウンドから始まり、
重なる呼吸音。
まさしく生命のメーカーの感がある。
そして同時に生み出される、
世界中に影響を及ぼす力
人体実験、軍事産業、あらゆる手を使い、
躍進していく。
繋がりで、WW1作目のまだ味方になっていないデミアンの感も少しあるのが趣深い。
ギターサウンドとワブルベースがイカつくて良。


05. Out of My Head  「劇場アニメ版ED」

綺麗な終わりを迎えた後、
エンドロールで流れる曲。

劇中で使用された背景画が、
ゆっくりと移り変わっていく。
多分、放心状態。
ボーカルにSounDiverをフィーチャリングしている。
アルバムの中では1番"バンドらしい"曲。エモ。


06. Connections  「ツェリン」

温かく美しい曲。

研究者としての凛とした姿で始まる。
未来では限りなく希薄になった、
家族への愛着
それを貫く生き様。
Wシリーズ中随所で現れる、
「想う」シーンが想起されるバラード。
原題のConnections(繋がり)が意味深い。


07. Bifrǫst  「デミアン」

局員たちの中でも、特殊な経歴と立ち位置を持つデミアン。
とにかく、つよい。

廃棄されたはずの軍事ウォーカロン。
蒼く鋭い猛禽類の目。
落ち着いた立ち振る舞いから繰り出される、
容赦のない一撃
多くを語らず任務を遂行する。
原題のBifrǫstは北欧神話で、
人間界と神々の国の間に架かるとされる、
燃える虹の橋


08. Uno  「Wシリーズ」

実は、最初に発見したのがこの曲。
故に、シリーズ全体をイメージ。
広がりと疾走感をはらんだ独特の世界観がある。

物語の輪郭が段々と明らかになるように、
近づき、増える音で世界観が立ち上がる。
ウォーカロン、チベット、バーチャル、
ひとつずつディテールが明らかになってくる。
ハギリが次々と事件に巻き込まれていくような、
迫り来る展開。
サビで疾走感を保ちながら一気に広がる
遥か未来で繰り広げられる物語から、
吹いてくる風を感じる。


09. Alabastro  「ナクチュ〜神殿〜」

素朴さと荘厳さを併せ持つナクチュ。
原題のAlabastroはイタリア語で、雪花石膏。
工芸品などに用いられる白く美しい鉱石。

始まりは、冷たい部屋、光るインジケータ。
一変して、ナチュラルな人々が素朴に暮らす風景へ。
奥へ進むと、そこには神殿が。
「目にすれば失い、口にすれば果てる」
原始的な細胞、過去の秘密、
あらゆるものが繋がる、非常に重要な場所。
フルートは、バグパイプ奏者が
楽器を持ち替えて演奏している。


10. Legacy  「旅路〜未来の風景〜」

原題Legacyのまま、
未来世界に受け継がれた遺産を感じる曲。
Wシリーズの舞台になる国の壮大な風景を、
空撮で次々と巡るような感覚。

チベットの高原、フランスの修道院、
北極の雪原、エジプトの砂漠、
日本のビル群。
空撮のパイロットは、もちろんアネバネ。
また、映画のティザーで流れるイメージもできる。


11. TRB's Heart  「ハギリの奇策」

何度も人工知能をドン引きさせるハギリの思考。
ユーモアと前進を感じる曲。

空間に「?」が漂うようなスタート、
そこにハギリのとぼけた思考が差し込まれる。
「それは、人工知能には思いつきません」
それが最大の武器になる。
困難をユニークにナナメから突破していく。
所々入り込むレゲエ由来の緩いグルーヴに、
いかにもハギリのマイペースっぽさが滲む。


12. So Easy To Leave  「テレビアニメ版ED」

フィナーレ!
ハギリと愉快な仲間たちを感じる、
爽快で元気な曲!

しかめっ面のウグイ。
余計なことを言うデボラ。
仕事に一直線のアネバネ。
にっこり笑うキガタ。
優しいオーロラ。
お茶目なヴォッシュ。
寄り添うパティ。
タジタジでありながらもマイペースなハギリ。
原題は直訳すると「離れるのはとても簡単」
しかしこれは、愛ある皮肉。


▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎▶︎


アルバム総括

アルバム全体としてテンションが高く、
Wシリーズの中でも割と「映える」ような、
力のある場面に合う曲がほとんどでしたね。
一方で、日常パートや、
じっくりと思慮するような場面のような、
落ち着いた感じ、クールな感じの曲は、
また別の機会にって感じでしたね。
でも!よい!やはり!
よい!!!!!!!

にしても、バンドの中にバグパイプがいるって、
見た目がもう個性的。

あ、概念イメージを優先させるために載せてませんでしたが、
01と05はご本人出演のMVがありますので、
ついでに貼っておきます↓


バグパイプで縦ノリって絵がつよすぎる。



おまけ話・・・The SIDHに謝りたい

実はアーティスト自体は、知ってはいました。
YouTubeのMVには1100万回再生を超えるものもあり、
民族音楽と電子音楽の融合ジャンルでは、
つよいアーティストです。
概念BGMを探し始めた遥か昔に、
何曲かだけ聴いたことはあったものの、
ドンピシャの楽曲は……うーーん。
惜しいけど、ちょっとだけ方向性違うのかな……
パリピ感出ちゃうな……
などと思い、深追いはしなかったんですよね……

痛恨の極み!!!!!

何を隠そうこのアルバム、
2021年の9月にリリースされてた………………
満を持して、熟しに熟しての遭遇。

「おん? この人たち……知ってる……」
「あれ? この曲知らない」
ポチポチ……
「あ、アルバムのプレイリストあるやん」
「1番再生数あるのは……これか」ポチ

良いが。

そんな顛末でごぜいした。
誤解してました。というか、
当時聴いた数曲だけで手を引いていた……
かぁ〜〜〜!!申し訳ない!!

しかもやっと聴いたと思ったら、
それをこんな狂った企画にお招きして、
ごめんね!!!!
素敵な曲をありがとうございます!!!!

時間はかかってしまったけど、
ちゃんと聴けてよかったです!!!!!!


そんなわけで、
これから未来編の絵を描く時などに、
このアルバム、大活躍するのではないかと思います。
こらから共に歩むのが楽しみです。




自由に概念BGM


いかがでしたでしょうか?
まず、1曲でも聴いて下さった方、
本当にありがとうございます!!!!!!!
こんな珍妙な記事に付き合っていただき!!!
優しさ感じます……

そして存在するか分かりませんが、
全曲聴いていただいた方、
ありがとうございます!!!!!!!!!!!

貴重なお時間をいただき!!!!

まことに!!!!!!!!!!!!!!!
あざざーー!!!!!!!!!!!す!!!!

(額を地にめり込ませるムーブ)

ここまで語っておいてなんですが、
そもそもの概念も、曲の解釈も、
上記全部、まっっっじで私の個人的な、
いち感想です。

自由にイメージし、自由に聴き、
それぞれに楽しむのが音楽の本来と思っております。

皆さんの森ミス未来編BGMは、
どんな楽曲でしょうか?
私のイメージとは全然違う人もいるでしょう。
素晴らしいですね。
概念プレイリスト、シェアして下さい。


また、概念うんぬんは別としても、
アルバム自体とてもいいものだと思うので、
もしも気に入ったよ!って方は、
音源を入手したり、シェアしたり、
高評価をしたり、
アーティストを応援していきましょう!


YouTubeチャンネル


Spotify


AmazonMusic



新曲が欲しい!!!!!(まじで)



それでは!

読んでいただきありがとうございました!


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