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コワーキング:ソーシャルと経済性の交差点

どもども。青木です。

僕が誰でもコワーキングスペースにおける円滑なコミュニティ運営を行えるサービスとしてTAISYを構想しはじめたのは、コワーキングスペースにソーシャルと経済性の交差点を見出したからでした。

コミュニティという概念はビジネス由来、というよりはソーシャル由来です。資本主義経済が始まる前から長年培われてきた社会関係資本によってコミュニティは生まれています。

しかし、資本主義経済の中でコミュニティはずっと軽視されてきました。
なぜなら誰もが空気のように利用することができ、コミュニティの不在による不利益は別の、政治や特に格差社会の文脈で語られるようになってしまったからです。

僕が衝撃を受けた映像がありました。
渋谷駅で泣き叫ぶ我が子を罵倒し、蹴りつける動画です。
そこには賛否両論いろんな意見がネット上であがりました。
私はお母さんがいかに追い詰められていたのかを想像していました。

一方、私の親戚に子どもが生まれました。
お母さんは高校生でした。高校は前例に習って退学となり、約束されていた進学も、就職も白紙に戻りました。
相手の男性と一度は結婚する、という話しにもなったのですが色々あってシングルマザーになりました。

「これは厳しい子育てになるだろうな」と思いました。

しかし、私が思っていた通りにはなりませんでした。
親戚中、寄ってたかって子供の面倒を見ていました。
「いつ来るん?」「今度はどこんちにいるん?」などと引っ張りだこになって、お母さんは高卒認定の資格を取ることができました。

コミュニティがあればこそ、本来の人間的な生活ができるようになる。
コミュニティがあればこそ、人は豊かに暮らしていくことができる。

そう思うようになりました。

しかし、そういう目に見えないものはなくなってみなければわからないものです。ソーシャルセクターでは孤独を救う様々な取り組みがなされています。しかし、その中で先日の夜回り先生のように消耗してしまう人達もいます。

"本当に大切なものはビジネスで解決されるべきだ”

その頃見つけたのがコミュニティーマネジャーという仕事でした。
それは人と人を繋ぎ、新たな可能性を切り拓く仕事。
まだ見ぬ新たな人との、本来ちょっとおっかない出会いを、ワクワクに変える仕事。
独りなのに、独りじゃないを作る人―。

そしてそこに価値を見出してお金を払う入居者の人達がいました。

見えない価値を見えるようにする。
幸運を必然に変える。

私にはそこに、人が新たに手にすべき光を見るのです。

社会変動によりサイズが合わなくなってしまったコミュニティ。
新時代のコミュニティはきっともっと、一人一人のサイズに最適化された、居心地の良いものになっていくと確信しています。

やっと見つけたソーシャルと経済性の交差点。
論理と感性が交わる場所。
合理を積み重ねても辿り着けず、最後に科学しきれない人の感性をもって挑む頂き。

そこにコワーキングスペースがあったのです。

人類に優しい、新たな時代の人の在り様を作ること。
これ以上ない面白さだと考えています。


Photo by Mike Enerio on Unsplash

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