秘密結社について

秘密結社とは、「結社」の一形態
であり、加入の際の秘儀を重んじる
入社的秘密結社、政治的目的を有して
地下活動を行う政治的秘密結社、
犯罪を目的とする反社会的秘密結社
に分類することができます。

ここでは、その秘儀や深奥の教義が
構成員以外には秘匿されている
入社的秘密結社について　
考察していきたいと思います。

史実として残るもっとも古い秘密結社
には、古代エジプト、ギリシア、ローマ
時代のものがあります。

また、キリスト教時代以前のローマの
キリスト教徒や中世の異端的キリスト
教団体（グノーシス派）のように、
弾圧•迫害から逃れるために秘密結社
となったものもあります。

主な結社としては、イルミナティ、
フリーメーソン（自由な石工）、
ローゼンクロイツ（薔薇十字団）、
ゴールデンドーン（黄金の夜明け）、
東方騎士団（バイエルン幻想教団）
などがあります。

たいていどの結社も、参入の秘儀
（イニシエーション）を重視しており、
その後は組織内部のヒエラルキーに
応じた秘儀を通過することによって、
組織の上層部へと登っていきます。

イニシエーションの内容については
もちろん非公開ですが、結社の存在、
集会（ロッジ）、著名な会員名などは
公表している団体もあります。

現在まで続いている秘密結社もありますが、
ほとんどの団体が友愛組織を謳いながら、
その実、キリスト教的、秘教的な研究、
オカルト組織であるのが実態です。

日本の伝統的秘儀集団には、他項で書いた
修験道、真言宗から邪宗として排斥された
真言立川流などがありますが、これらも
秘密結社の一つと看做すこともできる
でしょう。

一般的に構成員は成人男性で、女性や
子供は秘密結社から排斥されることが
多いのも特徴です。（現代の結社には
このような傾向はありません）

近現代ではKKK（クー•クラックス•クラン）
Qアノンなどが有名ですが、Qアノンは
政治的秘密結社に分類されるべきでしょう。

各々、発祥に関する経緯は違うと
思いますが、経済的利益を守るためや、
純粋な秘教的叡智の研究、に端を発し
ながら、次第に排他的になり、カルト化
していったことが世間の誤解を招く元と
なっています。

因みに「陰謀論」とは、特定の秘密結社の
構成員が世界史に影響を与え、自分達の
思いのままに世界を動かしている、という
考え方です。

財閥や政治家、学者、知識人、文化人
などの著名人が多く在籍した団体も
あることから、このような誤解が
生まれたのではないでしょうか。