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フリーメイソン

メイソンは一番有名な秘密結社でしょう。
「有名」な「秘密」結社というのもなんだかおかしな話ですが、「陰謀論」の主役として頻繁に登場して来ます。

フリーメイソンはまた、世界で最も古くそして最も規模の大きな友愛団体です。
団体名の由来は英語で「結社の会員」を意味する「Freemason」から来ているという説が一般的なようですが、これは逆ではないかと私は考えています。

「自由な石工」という別名の通り、発祥は11世紀に遡ります。当時、西ヨーロッパの各地には石工(mason)達の職人組合(ギルド)が存在していました。

大聖堂などを建てるには、石工、大工、ステンドグラス職人などが厳格な規律のもとに一致協力して作業しなければなりません。

石工達に求められるものは、建築学と幾何学の知識、石の加工についての秘密を守り、熱心に仕事に打ち込むことでした。

石工が使う道具に、鏝(こて)、直角定規、コンパスなどがあります。これは後に(18世紀以降)秘密結社化したメイソンリー(思弁的フリーメイソンリー)にもシンボルマークとして使われています。

「直角定規」は「物質と地上」を。「コンパス」は「精神と天上」を。「鏝(こて)」は「結束と友愛」を象徴しています。

英語の freemason という言葉が初めて登場
するのは1376年だと言われています。それは freestone(砂岩や石灰岩など自由に加工しやすい軟石)を扱う石工を意味していました。

軟石はステンドグラスの窓枠や、アーチ形の天井などに使われ、高度な知識と技術が要求されます。従って、特に習熟度の高い特権的な石工たちの仕事となっていました。ここに階級制の原型が見て取れます。

石工達は建築現場近くの集会所(ロッジ)で石工長から仕事の秘密に関して伝授を受けていたことが文献に記されています。

そこではまた、相互の信頼、守秘義務、仕事に対する姿勢が伝えられます。具体的には、仕事仲間を「兄弟」と看做すこと、仕事の奥義を他言しないこと、人物として清廉潔白であること、などが求められていました。

ロッジに入るには、職人としての能力だけが条件であったようですが、これらの規律を守ることのほか、成人男性であることなどの規律が当初は存在しました。

17世紀に入ると、石工以外の一般人が入会可能となりました。これは財政的支援者(パトロン)をロッジが求めていたことに起因しますが、このことが単なる職人ギルドから思想結社へ変貌する契機となりました。

現代のフリーメイソンはロッジと呼ばれる集会場で様々な儀式や講義を行います。これは前述の石工達の集会所に端を発しています。(規模のより大きな集会場はグランドロッジと呼ばれます)。

また、メイソンは教育の過程において、様々な象徴(シンボル)を使用するところに大きな特徴があります。

これは神秘学に基づくものですが、そのことが、益々この団体の神秘のベールを厚いものにしています。

厳密には、フリーメイソンは個々人の会員
を指し、組織は「フリーメイソンリー」と
呼ばれています。

歴史が古いのでメイソンほど高名な人が会員になっている組織はありません(モーツァルトなど)。

フリーメイソンもまた、現代まで生き続けている秘密結社です。

フリーメイソン東京ロッジHP
https://www.grandlodgeofjapan.org/index.html


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