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日本Amazonで怪レい日本語本が生まれていることに気付く。
中国に住んでいると日本の書籍はもっぱら電子書籍に頼るしかなくなってしまうため、私は大体Amazonの電子書籍で本を読んでいるのだが、今朝Kindle向けの本を物色していたら、下の本を見つけた。
怪レい「ラーメン」の綴り。
しかも料理本なのに、有名店『一蘭』のラーメン画像を表紙に大きく掲載してしまっている。
私でもサクッと作れそうな安易な表紙のデザインに引かれ、早速読んでみた。
初っ端からラーメンを「Rのアーメン」と誤植してしまうという痛恨のミス。
一文目からグイグイ来やがるな。
そう思いながら読み進めた。
急に謎の英単語が挟まれている点もスリリングだ。
食材は「鶏の死骸」1羽。
そしてまさかのインチとポンド表記に量がどのくらいなのか、いまひとつピンと来ない。
40年間生きてきたが、私は「自分の地元は『穴・イン・ザ・ウォール州』です」という日本人にまだ会ったことがない。
著者は風袋が大好きだ。
風袋を大量に作っていつでも手元に置いておきたいと思っているのだろう。
「ラーメンにはラーメンが欠かせない」と急に哲学的な世界に引き摺り込まれた。
「泡瀬山車」が「合わせだし」の誤植であると気づいた時、何か物凄い気付きを得たような気がした。
急に「電子」を入れ込んでくることでサイエンス的な要素を強めてくるラーメン料理本。
エンジニアの人も「電子」という字面を見て安心したことだろう。
急に「もの」という強調。
人は「もの」だけ強調されると戸惑う、そんなことに気付く。
「トンコットス」が「豚骨スープ」のことだということにも気付いた。
天才か自分。
ニューヨークストリップステーキという卑猥なステーキが唐突に現れた。
「カリカリに柔らかく」という相反した硬度。
擬態語を完全に間違う自由。
ラッパーが大変なことになっている。
このあたりまで読み進めると、ラッパー→ラップ→包む→皮と連想でき、なるほどラッパーとは「ワンタンの皮」のことか、となる。
慣れというのは恐ろしいものだ。
筆者は何らかのテクノロジーで椎茸を再構成することができるようだ。
ニラをチャイブに置き換える。
通常のチャイブに。
シンプルなラーメンを退廃的な食事に変えてしまう料理。
料理名もおかしいが、ラーメンにイカ墨を入れるのもどうか。
「強火泡瀬山車」という最終兵器的な合わせだしが登場。
「砕いた硬い豆腐」は本当に豆腐なのか。
前述の「カリカリに柔らかく」に近いテーゼとアンチテーゼを組み合わせて揺さぶりを掛けてくる表現手法。
チキンから揚げとはカリカリに揚げられたモーゼルのこと。
「キクラゲとも呼ばれるキクラゲ」という哲学的表現。
たまごが殴られました。2個も。
ペン、アッポーペン、パイナッポーラーメン。
「ひさし」という名の食材。
もう「タコ餃子」で良いじゃないか、たこ焼きも。
1回目はちゃんと「キュウリ」って書けてたじゃない。
タコが気に入らない場合がある。
ししとうが辛くてビックリしたことのある人が著者。
最後に著者の謝辞をご覧頂き、終わりとしたい。
おわり
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