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朝日新聞社の文章校正AI『Typoless』がMS Wordアドインで使用可能に

物書きとしては、気になる記事ですね。

朝日新聞社の文章校正AI 「Typoless(タイポレス)」 がMicrosoft Wordアドインとして使えるようになりました。

株式会社朝日新聞社(代表取締役社長:角田 克)提供の文章校正AI「Typoless(タイポレス)」がMicrosoft Wordのアドインとして使用できるようになりました。これにより、Microsoft Wordでの文章作成中にリアルタイムでの校正が可能となり、より効率的な文書作成が実現します。

TypolessはこれまでWebアプリケーションで提供されていましたが、今回のアップデートにより、Microsoft WordのOfficeアドインとしてインストールできるようになります。Microsoft Word内で直接AI校正を利用できるため、作業効率が大幅に向上します。

この機能は現在の料金のまま、プレミアムプラン、エンタープライズプランでお使いいただけます。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001672.000009214.html



文字の校正は、単に誤字脱字だけではなく、実はイロイロとチェックする部分があります。

書式(行頭一文字空けや句読点のぶら下がりなどが、きちんと出来ているか)の用字用語の統一や一人称の統一、漢字と仮名の統一など、初歩的な部分から始まって、内容的なチェックまであります。

ある作家が時代劇小説を書いたら、校閲部がその作品の舞台の場所と時間が特定されていたため、当時の天気を調べ、当日は雨だったのでこの描写は成り立たないと注釈を入れてきたとか。

出版業界内では、広辞苑を出している岩波書店、校閲部が精鋭揃いの新潮社、誤字の訂正の紙片を挟むぐらいなら刷り直せのPHP研究所などが、校閲部がのチェックが厳密で勉強になる出版社として、有名です。
辞書を出している出版社は、概ね校閲部のレベルが高いとされます。

校閲は、国家資格ではないのですが、いろんな団体が、技能検定を開催しています。
文字組みや校正のテキストを読み比べた感じでは、日本エディタースクールの本が、もっとも正確かつ精緻に思えました。

芦辺拓先生は、作家になる前は読売新聞の大阪本社で、校閲部にも所属しておられたそうです。作家にとって、校閲の経験は大きいですね。
文字組のルールは、新聞社と出版社では、基本は同じですが、ルールはけっこうバラバラです。

ただ、校閲部のチェック機能は、実は差別表現や、医学的な間違いや偏見、過去に裁判とかに発展した事例を、データベースとしてどれだけ持っているか、の部分があります。

出版社や新聞社は概ね、共同通信社の『記者ハンドブック』に準拠して、用字用語の使い方を統一しています。
もっとも、全部を詳細に読んでいる記者や編集者は少なく、けっこううろ覚えだったり、自己流だったりします。

ただ、割と中堅どころの出版社はもちろん、校閲部を通さない大手出版社の週刊誌の部署とか、かなりいい加減だったり、筆禍事件を起こしていますね。

そういう部分も含めて、AIの発達には期待していますけどね。特に対話型だと、色んな情報のチェックとか、出来ますから。

できればブリタニカ百科事典と大漢和辞典と提携した、校正支援のアプリとかあれば、とても助かるのですが。


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