ファンと公式がつながる創作プラットフォーム〝Charaforio〟
キティちゃんで知られるサンリオが、大胆なことを始めましたね。
①出版社の危機?
プレスリリースはこちら。
このプラットフォームの凄さは、企業であろうが個人であろうが、あらゆる版権物が登録できる新プラットフォームという点ですね。イラストレーターや漫画家はもちろん、VTuberやゲームクリエイターなども、幅広く作品を掲載可能で、しかも二次創作ガイドラインも一括周知できるのですから。その作品自体がポートフィリオの役割も持ち、仕事の依頼を受けられるのですから。これって、サンリオがエージェントを兼ねるようなものですから、出版社はかなり危機感を持つべきだと思ったのですが。あまり反応は、パッとしませんね。
どうも、pixivに毛が生えたようなもの……という認識でしょうか? 個人的には、pixiv的な機能とアルファポリス的な機能を併せた、雑誌と歌時代の新しいプラットフォームに思えます。すでにキャラクターを持つ企業が、二次創作OKと登録するかはわかりませんが、この中からヒット作品が出たり、あるいは初音ミクのファンアートのように広がるキャラクターが生まれたら、一気にコンテンツビジネスのあり方を変えると思うのですが……。自社版権にこだわる出版社にとって、これは脅威だと思うのですが。
②囲い込みではなく分かち合い
サンリオは売上高726億2400万円の企業で、1720億円の講談社や、1087億7800万円の小学館や、1720億円のKADOKAWAほどではないですが、キャラクター版権の経験値は高いですし、自社のキャラクター以外でも登録できるので、それこそ出版社は今後、二次創作の版権管理とかにも対応できなければ、ではCharaforioに登録して自作の世界を広げて、きちんとした収益を得ますという作家に、対応できなくなるのですが。もちろん、大手はそこら辺はしっかりやれるでしょうけれど、中堅弱小は一気に打撃が。
著作権の譲渡だとか、そういう話ではなく、クリエイターがコラボレーションや二次創作をやりやすくするための、場を提供するわけです。結果的に、それが企業などから公式キャラクターとして採用されたり、そういう道を広げるわけで。今まで、出版社や編集部が窓口だったものが、サンリオが代わりにやってくれる。すでに著名な作家はもちろん、ダイヤの原石を囲い込むことも可能。まぁ、囲い込むと言うよりも、最初からきちんと版権を確保してあげるという感じで、無名の新人やアマチュアにも優しい仕組み。
③イベントも仕掛けていく姿勢
すでに、こういうイベントも開いて、VTuberを募集しています。最優秀賞はサンリオが3Dモデル制作の支援をしてくれるわけですから、ありがたいですね。しかも、出演機会も提供。注目度もあり、新しい才能が流れていくでしょうね。カクヨムやアルファポリスは、よくいろんな賞を開催して、投稿者の投稿意欲を刺激するのですが。そういうイメージで、いろんな版権物の、登録や投稿を促し、大きなプラットフォームに育っていきそうです。
雑誌がドンドン廃刊になり、出版社や編集部は、いったい才能に対して、何を提供できるのか? 権利関係の保護はこういうプラットフォームがやってくれて、企業とのマッチングもやってくれるなら、大手はともかく中堅弱小は、かなりきつくなりますね。育成のノウハウのある編集者は一部(自分は育成力があると思っている編集者が99%ですが)ですから、編集部は編集部で、生き残りの方策を考えないと。MANZEMI講座のように、育成を代替する場所は、今後は増えこそすれ、減ることはないでしょうから。
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