美味の起源

 今回は地味に見続けてきた、ドラマ「美味の起源」です。中国の甘粛料理・雲南料理・潮州料理(広東)の三つを紹介しているドラマです。中国にいけず、中華料理をなかなか食べられない今こそ、より価値のあるドラマだと思います。

 そもそも日本人の考える中華料理は、ラーメンやチャーハンなど有名チェーン店の影響を強く受けています。最近は多くの本場中華料理の店ができてきたので、中華料理といえばチャーハン!とかいう人は減っていると思いますが、まだまだ多いのが実情でしょう。
 じゃあお前のいう中華料理の定番とは何なんだと問われると、なかなか答えるのが難しいです。一口に中華料理といっても種類は膨大だし、私も一々料理名を覚えていません。しかし、これまで中国で食べた料理で一番おいしかったのは何かと聞かれると、答えられます。
 私が最もおいしいと感じたのは、羊の首の塩ゆでです。その塩ゆでを生ニンニクをかじりながら食べ、中国のお酒である白酒をあおる(紹興酒は中国で飲む地域は少なく、一般的に白酒を飲む)。これが最高でした。蘭州から敦煌に向かう途中の、武威で食べた料理です。

 さきほど、中華料理といえばラーメン!なんて何もわかってないな、みたいなことを書きましたが、実は麺料理も大好きです。中国でラーメンは拉面、つまり麺を引っ張って作るもので、それ以外はラーメンといいません。そのラーメンの定番が甘粛料理の牛肉拉麺です。これは最高です。いまや中国各地にある料理で、どこでもそこそこおいしい牛肉拉麺が食べられます。他にも麺料理には、日本にも最近増えている刀削麺や、武漢名物の熱干麺、 烩麺など、あげればキリがありません。中華料理はそれだけ奥が深いのです。ぜひこの「美味の起源」でその一端をのぞいてみてください。

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