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中国ライブコマースについてのポイント

中国ではライブコマースが2020年のキーワードとなっています。
Taobao、tiktok、快手、REDなどさまざまな大手プラットフォーマーがライブコマース戦争を繰り広げており、新たなマーケティング手法として注目されています。

中国消費者協会のレポートによれば、2019年のライブコマース市場の市場規模は4,338億元(約6兆5,000億円 ※1元=15円で計算)と大きな市場を形成しています。今回はそんなライブコマースにおけるポイントを押さえていきたいと思います。

①主役は商品
KOL(Key Opinion Leader→インフルエンサー)として効果があるのはほんの一部のトップKOLのみ、例えば、李佳琦、薇娅。彼らのようなKOLでない限り、その他のKOLでは効果は薄い。結局KOLも重要ではあるが、あくまで主役は商品であり、KOL頼みではいけません。KOLは伝える役目しか持たないのです。

②トップKOLが売れる理由
彼らは商品の選定をとても重要視しており、なんでも売るわけではありません。下記でその一例をご紹介します。

●李佳琦の商品選びの3ステップ
1)専門の外商部隊、QC(クオリティコントロール)部隊が商品選定
2)ライブ部隊が商品テストを行い、商品を体験する
3)最後に李佳琦本人がテストを行い決定

上記のように、専門部隊によって厳しいチェックを行い、その結果としてライブで紹介されるようになる。彼だけでなく、薇娅も同様に厳しいチェックを行っており、最終的に10商品に1商品程度しかライブで紹介されません。

③運営側の重要性
KOLばかりが重要視されがちですが、KOLと同様に重要なのが運営側の体制です。例えば、コールセンター、在庫の確保、配送など、この基盤がしっかりしてないと、せっかく買ってくれたお客さんが離れていってしまいます。購入は入口、購入してもらってからがスタートです。

④商品価格を守り、ブランドを傷つけない
ライブコマースにおいて、商品の値引きやクーポンは売り上げに影響する大きなファクターです。短期的に見れば大幅に値引きすれば売り上げはあがりますが、その後の売れ行きに大きく影響を与えてしまいます。値段を安くするのではなく、今までなかった組み合わせでの販売や、おまけの設定など値引き以外の方法による工夫が必要です。

⑤事前の認知形成が大事
ライブコマースを成功させるためには、少なくともライブコマースの予算の2倍以上を事前の認知形成に活用する必要があります。中国のマーケティング業界では一般的に合理的な予算配分として、事前の認知・興味の掘り起こしのための予算とライブコマースの予算の配分は7:3程度が理想的と言われています。

最後に
以上、ライブコマースにおけるポイントを書いてみました。ライブコマースは1SKUにつき10分~20分ほどの紹介で、認知・興味の喚起から購入までのマーケティングサイクルを大幅に短縮できるようにした新たな手法です。ただし、この手法もマーケティングの中では1つの手法にすぎません。短期的な売上として見るのではなく、長期的な視点でLTVを最大化していけるようブランドの価値を高めるよう進めていく必要があります。

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