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平隊士の日々 元治元年皐月十一

元治元年皐月十一  


起きて、布団をかたずけ、掃除して、稽古。 

朝食、きのこ和え、漬物、煮魚、味噌汁、ご飯。
シャキシャキしたきのこで少し苦いので、少ししか食べない。

本日の隊務割。
午前が当直、午後が東巡察、夜が西巡察。

当直なので、いつでも出れる準備をして、稽古。
八番隊が浪士二人を捕縛して戻る。

昼食、天ぷら、漬物、きのこの味噌汁、ご飯。
なんだかむかむかして、食欲がない。

三番隊と東巡察に出る。
高瀬川に出たころ、
三番隊の木内と、うちの阿部が吐く。
みんなの顔色が悪い。
斎藤組長が、
「体調不良の隊士は、屯所に戻させよう。源さん、頼む。」
「分かった。残った六番隊は斎藤組長の指示に従え。」
体調不良の隊士を大八車に乗せ、
井上組長と竹内伍長、西岡が屯所に戻る。
船宿、三軒と旅籠、五軒を探索して、屯所に戻る。
南部先生が来ていた。
木内と阿部以外にも、数人の隊士が倒れたらしい。
なんでも、きのこの毒に当たったらしい。
ほぼ、全部の隊士がきのこを食べたのだが、
少ししか食べなかった隊士は大丈夫の様だ。

夕食、卵粥、梅干し、だし汁。
体調不良の隊士でも食べられるように粥にしたらしい。

九番隊の一部と六番隊の一部で西巡察。
巡察に出る前に、配置を決める。
僕は九番隊の二番になった。
捕縛の時は、漢一郎の後ろで突入する。

西大路通りから、法輪寺の方に路地を曲がっていく浪士を見かける。
鈴木組長が合図をしたので、
九番隊の隊士とともに、手前の路地を入って行く。
寺に入る手前で、浪士たちの前に出る。
鈴木組長が誰何すると、きびすを返して、井上組長の方に逃げていく。
二人が六番隊に捕まり、残り三人を九番隊が捕縛する。
番小屋に連絡して、屯所に戻る。

阿部の布団をのぞいてみたが、まだ苦しそうだ。
田螺だけでなく、きのこにも注意が必要だな。
街は祇園祭に向けて華やかなのに、屯所では隊士が唸っている。
自分もなんだか胃が痛い。
少ししか食べなかったが、当たったのだろう。
おとなしく、寝る。


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