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高杉晋作の日記 元治元年皐月十三

元治元年皐月十三

龍馬と飲んでいたら、
新選組が御用改めと言い飛び込んできた。
「おお、新選組の山南さん。どうじゃ、一杯やらんか?」
龍馬が目ざとく、山南を見つけ、声を掛ける。
「これは、これは、幕府操練所の坂本さま。
先ほど、こちらに来られた浪人は?」
「うちの、近藤長次郎と沢村惣之丞の事か?
まぁ、貧乏しているので、風袋は悪いが、幕府操練所の塾生じゃよ。
何か問題でも?」
「いえ、最近は京都も物騒になっているので、
我々の取り締まりをしっかりやらねばと御用改めさせていただきました。」
「ついでに、一杯、飲まんかのう、たまには飲んで話したいが、」
さえぎるように
「我々、京都守護職より京都の巡察を預かる身。
また今度、非番の時にでも。」
「そうかい。じゃ、また今度な。」

新選組とのやり取りを見て、
「坂本さん、新選組にも知り合いがいるのか?」
「いや、江戸の同じ千葉道場で研鑽した仲間じゃ。
たいして強くはなかった。」と言って笑う龍馬。

この時代、顔が広いと言うのは実力の一部だ。
それも勤王、新選組両方に顔が知られ、
話が出来るのはとてつもない実力なのを
この龍馬は気が付いていないかと思った。
その後は何事もなかった様に宴会が続く。
飲みすぎた。


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