万能フレームワーク「機能」「役割」「含メタ構造」

「機能」「役割」「含メタ構造」
何かを考えたり知らない物事を理解する時、この3つのキーワードを常に意識すると理解が深まり本質を捉えやすいと最近思うようになりました。もしかしたら他の人にも役に立つかもしれないので書きまとめてみます。

ゲームアイテム「たいまつ」の「機能」「役割」「含メタ構造」

初めに分かりやすくゲームで例えてみます。ドラクエ的なゲームを想像してください。宝箱から「たいまつ」という初めて見るアイテムをゲットしました。アイテムの説明を見ると「暗闇を照らす」と書いてあります。その時点では使いどころがピンときません。しばらくゲームを進めると真っ暗で行先が何も見えないダンジョンに入りました。そこで「たいまつ」の存在を思い出し、使ってみると周りが明るく照らされ先に進めるようになり、ゲームクリアに一歩近づきました。

この「たいまつ」の「暗闇を照らす」という「機能
真っ暗なダンジョンで周りを照らすための「役割
たいまつを使うことでゲームが先に進むという「含メタ構造

たいまつの機能、役割、含メタ構造の各レイヤーが理解できたことでたいまつの本質の理解が深まったと言えます。

※ここで「含メタ構造」という言葉の注釈をしますと「それ(たいまつ)を含めた構造」と「メタ(高次の)構造」を合わせたオリジナル造語です。

一体何の話をしてるんだと思うかもしれません。これはゲームというプレイヤーとゲーム制作者以外介在する者がいないシンプルな世界だからこそ「機能」「役割」「含メタ構造」がすぐ理解できるのです。
これが現実の物事だと途端に各レイヤーの理解の難易度が跳ね上がります。

ミミズの「機能」「役割」「含メタ構造」

例えばミミズの機能、役割、含メタ構造は何?と聞かれたらかなり難しくなりませんか?
にょろにょろしてて(機能)、気持ち悪くて(機能)、触ったら病気になりそうで(機能)…
落ち葉を食べて分解するらしいな(機能)。それで森の掃除屋って呼ばれたりしてる(役割)。ペットのエサにもなる(役割)。
農業(含メタ構造)では土壌を豊かにする重要な「役割」を果たしてるし。自然界の生態系(含メタ構造)でも有機物の循環に欠かせない存在(役割)らしい。

以上、浅くて一面に過ぎないですがミミズの「機能」「役割」「含メタ構造」の説明です。

ミミズの「機能」は謎の部分もまだありそうですが、かなり判明してきてると思います。
「役割」は森の掃除屋とペットのエサという例を挙げましたが、他にもまだまだありそうです。にょろにょろした機能を活かして変態プレイにも使えるかもしれません。
「含メタ構造」については「農業」、「自然の生態系」とあっさり言葉にしましたが、この構造自体とても複雑で、特に自然の生態系についてはまだまだ謎だらけだと言えます。「含メタ構造」まで理解しないとミミズの真の姿は見えてこないのかもしれません。
現実ではなくゲームの中の機能では含メタ構造がゲーム内に限られてる場合がほとんどなので理解がしやすいです。例外としては例えばゲームで貯めたポイントを現実のショッピングで使えるなどです。
現実ではミミズが農業、自然界、ペット業界という複数の含メタ構造に存在するように、ひとつの機能でも複数の含メタ構造にまたがっていることが多いです。

仕事で使える「機能」「役割」「含メタ構造」

ここまでは分かりやすく説明するための思考テストみたいなものでした。ここからは仕事に役立つ「機能」「役割」「含メタ構造」の実践例を考えていきます。

例えば売り込みを受けるとき「御社のサービスの機能は?」「期待される役割は?」「弊社や社会にどういったメリットをもたらすか?(含メタ構造)」という質問をしてみると、良し悪しの判断がつきやすいかもしれません。しっかり答えられたら優秀な営業でしょう。

新商品を開発する上でも「機能」「役割」「含メタ構造」の格レイヤーで矛盾なくしっかり強味を持つことで、良質で売れて世の中の役に立つ商品になるはずです。

会社組織における自分の在り方についても応用できます。自分はどんなスキルや能力(機能)があるのか?どういう役割を担ってるのか、期待されてるか?会社全体の組織構造はどうなっていて、自分はどこにいるのか?(含メタ構造)といった考えを持つことが大事です。
今の仕事に不満があるとしたら、自分の機能が足りないのか?役割がマッチしてないのか?含メタ構造に欠陥があるのか?それぞれ整理して考えるといい方向に向かうはずです。


含メタ構造は個として機能を持ち更に大きい含メタ構造の一部となる

ここからは少し哲学的な話になります。含メタ構造は個として機能を持ち更に大きい含メタ構造の一部となる。勘のいい人ならこの一文だけで分かるかもしれません。
会社の例が分かりやすいので会社で例えます。A自動車会社の車体組み立て工場で働くA君がいるとします。A君はドアの取り付けという一部の工程(役割)を任されています。工場内の全工程がA君が直接含まれる「含メタ構造」になります。
ひとつスケールを大きくするとA自動車会社にとって、この工場は車は組み立てる機能を持った一部です。別の工場や、部品の製造機能や、販売所で売る機能、それらを流通する機能などを含めてA自動車会社があります。
更にもうひとつスケールを大きくすると、自動車を買って利用する機能を持つユーザー、下請け企業、競合他社のB社C社、お金を貸してくれる金融機関、税金を課したり助成金を出したり法律を守らせる政府…という様々な機能を含む自動車産業という含メタ構造が見えてきます。

逆にスケールを小さくすることもできます。工場で働くA君の体内には骨や筋肉様々な細胞があって、細胞はアミノ酸からできていて、アミノ酸に含まれる炭素原子には…

というように極限まで大きくすると宇宙やマルチバースという話になり、極限まで小さくすると量子力学とかになります。両極端が物理の範疇になるのは不思議ですね。(文系なのでよく分かりませんが)

全ては繋がっていることを頭で理解する

やたらスケールをでかくしたり小さくしたり何の意味があるのか?この含メタ構造の拡大縮小を広げることで、少なくとも思考実験レベルではあらゆるこの世のものが全てつながっていることが分かります。宇宙から自動車工場からゲームから分子まで繋がってきます。拡大してから縮小する際、別の構造にフォーカスすることでどんなものでも繋がります。自動車工場からどんどん拡大して日本経済まで行ったら、今度はスケールを絞っていき一次産業→漁業→しらす→釜揚げしらす丼。という風に自動車工場と釜揚げしらす丼も強引に繋げることができます(影響度は低いですが)。"全ては繋がっている"というポエムのような言い回しも、含メタ構造を重ねることで頭で理解できるようになります。
もし、何か専門分野で勉強したり仕事しているなら、とことん含メタ構造を広げて世界や地球まで繋げてみたり、縮小して身近な何かに繋げてみたりして周辺構造を理解することで、より深く専門分野が理解でき、パフォーマンスも一段上げることが期待できます。

専門外の分野もざっくり理解しやすくなる

含メタ構造にはよくあるパターンや型のようなものがあり、全く違う分野やジャンルでも似たような含メタ構造が現れたりします。水の循環、血液の循環、経済の循環であったり。トップダウン型組織とボス型の哺乳類の群れ、イワシの群れの動きと株価の動向のようにリーダーがいなくてもまとまった動き。自然界に頻出するハニカム構造などなど。
ひとつの専門分野で理解した構造や役割や機能が、全く違う分野でも似たような構造や役割・機能があると理解が早まり、誤った理解をすることも少なくなります。

義務教育、受験勉強にも応用できる

学校の勉強でも機能・役割・含メタ構造は有効です。勉強はひたすら丸暗記だけして機能や構造を理解してない状態になることもあります。それは非常に勿体ないし、高いレベルの受験では歯が立たないでしょう。ひとつの単語でも「機能」「役割」「含メタ構造」を理解することで脳のメモリを節約してたくさんの知識を蓄え、様々な知識を紐づけて強く記憶に残すことができます。予備校の名物講師は「機能」「役割」「含メタ構造」の説明が巧みであるように思えます。


敢えて対立や矛盾も含メタ構造もある

世の中には対立した主張や矛盾する出来事があったりします。どちらかが間違っていると判明する場合もあれば、視点が違うから異なる現象に見えるだけで、より広い構造から見れば同じ現象の場合もあります。
しかしそれらとは別に敢えて対立や矛盾を含めることで含メタ構造の機能が望ましいパフォーマンスをするといったこともあります。
典型例は市場の競合他社でしょう。A社にとってはB社C社と市場競争することで楽に稼がせてくれないので、B社C社がいない方が望ましいかもしれません。しかし顧客は市場競争のおかげでよりよいサービスを受けられるし、業界全体も活性化し、含メタ構造では競争を内包していた方が結果として望ましい機能を発揮できます。
ツイッター上などでは時折「〇〇が無くなればいい」という主張を見かけたりしますが、そういう主張の多くの場合は含メタ構造の理解不足によるものと思われます。既に○○が存在する以上、〇〇が担っていた機能や役割を代替するものが必要、もしくは含メタ構造の全体設計を変更する必要が出てきます。特に人間が作った物以外の自然発生で生まれた機能や役割、含メタ構造は複雑で全て理解されていないことが多く、安易に改変することはとても危険です。一方人間が作った物、特に無体物にはしばしば無駄で無くしていいものもあったりします。(一部の権力者のわがままで作られた恣意的ルールなど)
人と対立や意見の食い違いがあった場合、含メタ構造も踏まえて、敢えてすべき対立なのか?必要のない無駄な言い争いか?意識することは重要です。含メタ構造を理解しないで邪魔者を排除した結果、より酷い状況になるなんてことはよくあります。人間関係でも意見が違う相手に感情的になるのでなく含メタ構造まで意識して、意見が違うことも許容されるべきか、徹底的に白黒付けるべき事案なのか判断するといいでしょう。
そのためには常に自分の含メタ構造の理解に誤りや見落としがないか勉強しつづける必要があります。


全く逆の発想「善悪ラベル貼り連想」

「機能」「役割」「含メタ構造」がいかに役に立つかを手を変え品を変え説明してきましたが、これとは対極にあるような考え方を「善悪ラベル張り連想」と名付けます。これは物事を判断するのに非常にシンプルな方法でとにかく「いいもん」「わるいもん」どっちかに分けるだけです。分けた後で何故いいか、何故悪いかそれっぽい理由を付けていくだけです。
人気ランキング1位の有名人だから「いい」。その人と仲のいい人も「いい人」その人が使ってるものは「いいモノ」。
逮捕された人は「わるいもん」。その職業はみんな「わるいもん」。着てる服のブランドも「わるいもん」
みたいな感じです。

「機能」「役割」「含メタ構造」を理解する必要はなく、連想付けられれば判断できるのでとても楽です。一方で自分で考えることを放棄しているので新たに分からない物事が出てきた場合、誰かに「いいもん」か「わるいもん」か判断されないととても不安になります。「いいもん」認定されてる人が褒めたら「いいもん」ディスったら「わるもん」。逆に「わるいもん」認定の人が褒めたら「わるいもん」ディスったら「いいもん」という逆転現象が起きます。陰謀論にハマる人は典型的な「善悪ラベル張り連想」に陥ってる人だと思います。
関心がないことやどうでもいいこと、または敢えて頭を幼稚化して癒されたい時などは「善悪ラベル張り連想」でもいいかもしれません。
しかし普段から「善悪ラベル張り連想」をしている人とは少し距離を取ることをお勧めします。

まとめ

世の中一部の「機能」しか理解してないのに分かった気になって語る人。それを別の含メタ構造にいることを自覚しないで批判する人。同じ機能を持っていても違う役割を与えると働きが全然変わることが分からない人。善悪のイメージで判断して全く問題が解決しない人。「機能」「役割」「含メタ構造」を意識することでこのような無駄な労力や苦労が無くなり、人生が少し快適になるはずです。ゲームなど構造が分かりやすいところかを足掛かりにして「機能」「役割」「含メタ構造」のフレームワークを習慣化していくと満足度の高いを人生が送られるはず!

結局抽象的で何が言いたいのか分かりにくい記事になってしまったかもしれないので今後加筆修正していきたいと思います。

無職(2019/10/01~)のポッティにご支援お願いします。