見出し画像

「Wまるは定食、でかいエビフライ2本」日記2024/03/19-3/30

はじめに

  • 30代男性の日記をまとめたものです。

  • 基本的に読んだ漫画とか映画の話を書いています。

  • 途中から家族の話とか、何食べたとか、生活の話がでてきます。

  • あちこちリンクを貼ってますが、アフィリエイトとかでは無いので、気になったら好きなところで買ったり観たり食べたりしていただいて、大丈夫です。


○2024/3/19(火)

『にぼしとかつおの子どもあんぜん絵本 / くまみね (イラスト), 舟生岳夫(監修)』

を読む。
くまみね先生のイラストが大変かわいく、大人が読んでもおもしろい。しかし、もし自分に子どもができたら、「理由の無い死や暴力」について、どう教えればいいのかと悩んでしまう。

「ルールを守ってさえいれば、安全である」という安心感を子どもに与えることは、おそらく大事なことである、だがそれだけでは取りこぼしてしまうものがある気がしている。人は無意味に死ぬので。

『もっこり半兵衛 / 徳弘正也著』10巻

を読む。

いつまでも失速することなく、おもしろいのですごい。印象的だったのは髪結いの女のエピソードだ。髪結いの女は男に虐げられている女たちに、特殊なかんざしを配る、そのかんざしは容器のようになっていて、その中には毒が入っている。かんざしを受け取った女たちは、毒で男を殺す。

このエピソードでは、最後まで髪結いの女が裁かれることはない、奇妙なかんざしをつけた女を町でたくさん見かけるようになり…で終わる。

徳弘正也先生は『スケベだけど女を守る優しい男』と『男を支え耐え忍ぶ女』を一貫して描き続けてきたと思う。そこで描かれる価値観は今日的には少し危い面もある。

そんな作者が、女性のエンパワメント的な作品を書いていてすごいと思った。徳弘先生は自分の父親と同世代だと思うが……素直に尊敬する。人は変わっていくのだ。

ところで、今回の巻では医者の卵の男が、梅毒に罹患した夜鷹を見て「ばい…ばい…バイオハザード」と言うギャグがある。こっちの方はアウトだと思う。一体なんなのか。
でもおすすめです。絶対読んだ方がいい。

○2024/3/20(祝)

『婚活バトルフィールド37 / 猪熊ことり著』1-3巻

を読む。

とにかく主人公の性格が悪く、完全にアウトな悪意のある目線を持っている。それでいて、読んでいてイヤな気持ちになることはなく、むしろ痛快ですらあるのは、婚活、ひいては生殖の非人間的な部分を鋭くえぐっているからだろう。そして、シスターフッドものでもある。

やっぱりフィクションの主人公はいい人より性格悪い人にした方がいいよなーと改めて思う。

『友達だったひと / みや著』

を読む。

X(旧Twitter)で話題になっていたが、確かにすごい。SNSでのアイコンを介したコミュニケーションに対面とは異なる質感、手触りがあるということを絵にしている。漫画でしかできないことだ。

そういった質感のコミュニケーションでしか得られない友情もこの世にはある。

同じYouTuberの動画を毎日見ていると、他人なのになんだか友だちであるような気がしてくる。いや、案外それが今の時代の友だちなのかもしれない、そんなことを考えてしまった。

○2024/3/21(木)

『ウルトラヘブン / 小池 桂一著』1-3巻

を読む。
10代のころに一度読んだものだが、電子版がセールになっていたので買ってしまった。

トリップ描写がすごいドラッグ漫画だ。
改めて読むと、当時衝撃を受けたトリップ描写よりも設定というか、SF的な道具立てを面白く読んだ。

ペギラ、ガラモン、ミクラス…ドラッグやキャラクターの名前がウルトラマンの怪獣に由来している。魔法のアイテムで超越に至る、ヒッピームーブメントはウルトラマン的な想像力なのかもしれない。

○2024/3/22(金)

『平和の国の島崎へ / 濱田轟天(原作), 瀬下猛(漫画)』5巻

読む。
元中東の傭兵である島崎という男が、平和な生活を望んで日本の日常に溶け込む。実直な島崎の人柄は徐々に周囲に受け入れられていくが、そこに暴力の影が…という話。

あらすじだけ聞くと、ほぼ『ファブル』と同じである。でも読んでみると2作品は全く異なる作品であると思う。『ファブル』はどこか明るいネアカな作品なのに対して、『島崎』はネクラな作品なように感じる。

『島崎』には強烈に死の匂いがある。島崎のバックボーンが中東の少年兵であるからか、なんとなく現実の死や暴力と結びついていて、じんわりと嫌な気持ちになる。そこも含めて個性があり、唯一無二な作品だと思う。

○2024/3/23(金)

『メダリスト / つるまいかだ著』10巻

読む。

いのりが中学生になり、成長により体型が変わり、できないことが出てくる、そんな中、大人がどう子どもを守るかというような話がメイン。
作り手の誠実な視点に安心する。

好きなシーンは光がいのりに「インタビューの練習」という体で、本質的な聞きにくい質問をビシビシぶつけるシーン。いのりが光に一歩も引かない応答で天才性を見せつける、痺れる見せ方だ。

全然関係ないが、ある時から「大人が子どもを戦わせ、子ども追い込まれ命を落とすタイプのSF作品」が読めなくなった。

昔は「この設定や展開は辛いけど、テーマを効果的に描くためには必要なことのだ」と思っていたが、ある時ふと、「いや、作り手も読者も単にこういうのが好きでちんちんを大きくしているのかもな…」と感じるようになって読めなくなった。

実際には「テーマが必要としているし、作り手も読者もちんちんを大きくしている」というのが正解なのだろう。いびつな欲望によってのみできる作品というものもあるし、自身の変化によりそれが読めなくなることもある。

『二階堂地獄ゴルフ / 福本伸行著』2巻

読了。

カイジの福本先生の新作。プロを有望されながらも、プロテストに落ち続け30代半ばも過ぎてしまった中年ゴルファーの地獄のような話。

こういう話をやるなら、「主人公は緊張には弱いが、ひらめきや観察眼がある」みたいな設定にしがちだが、このマンガの主人公は全然そういうのもなく、全くプロテストの惜しいところまでもいかず、2巻では42歳を迎えてしまう。

福本先生の旧作の『最強伝説黒沢』は中年男性が、「自分に何もない」と気づいてしまう話だったが、『二階堂地獄ゴルフ』はその先を描いている気がする。黒沢には腕っぷしや人望があったが、二階堂には本当に何もない。

というかゴルフの漫画だけど、ゴルフの話はほとんど無いんだよな。あくまでも主題は夢や自己実現の話。

あくまでも自分の推測ではあるが、福本先生は漫画家として、沢山のアシスタントの「二階堂」を近くで見てきたのではないか。

自分もパッとしない中年のため、まだこの作品と距離をとって冷静に読むことができていないように思う。どのように終わるのか楽しみだ。

大きいエビフライが2本、皿に載っています。
『Wまるは定食』

『まるは食堂』の『Wまるは定食』

を食べた。でかいエビフライ2本。

レジで支払いをしている時に『演劇まるは食堂』のチラシが目につく。そういうのもあるのか。

『まるは食堂』とは愛知県内に展開されている、海鮮とデカいエビフライが有名な飲食店だ。店の前にはケンタッキーのカーネル像のように、創業者のおばあちゃんの像が立っている。

バットマンのジョーカーのオリジンのように、まるはのおばあちゃんがそこに至るまでの話をやるのだろうか。

ゲームセンターにUFOキャッチャーをやりにいく。
『NEEDY GIRL OVERDOSE』のフィギュアを取りたかったが、50代後半ぐらいの男性が、自分を挟んで、老齢(おそらく80代)の両親に『葬送のフリーレン』のフェルンのフィギュアを取ることを指示しており、なんだか辛くて早々にゲームセンターを出る。
人間の寿命は短いってわかってたのに…なんで…

○2024/3/24(日)
家人とクッキーの試食ができる洋菓子店に行った。
どのクッキーもおいしく、楽しかった。しかし、同時に「これはあまり成立していないな」と思った。
想像以上に狭い店内にひしめき合って試食するのは大変で、『海老せんべいの里』(愛知県にある海老せんべいの試食販売をしているクソデカ施設)がなぜ郊外にあり、くそでかい建物なのか理解した。

『ダウナー系お姉さんにボツの嘘を流し込まれるイベント』

の配信を視聴。

SNSで大バズリしていた同人音声に関するイベント。
音声も買って、最高に好きなやつだった。それで、どんな人が作っているのか興味があって観たが、かなり面白かった。
天才型の人と、きっちり進行管理や言語化ができる理論型の二人が組んでやっている感じらしく、売れるべくして売れたんだなと思う。Discordによるマメなアイデア出しと進捗報告、現代の集団制作の勝ち筋はこれかも。

○2024/3/25(月)

『ファミレス行こ。 上 / 和山やま著』

読了。

BL的な素養がないので、聡実くんが狂児のことを単に好きすぎるだろう、と思う。好きなシーンは高級時計を鍋で煮てしまうシーン。狂児へのプレゼントを買うために500円玉貯金をしているのに、狂児は聡実くんにポンと200万円する高級時計を渡してしまう、聡実くんはその行動に苛立ちを覚えるのだ。

読んでいて反射的に「もったいない」と思ってしまう。それは読み手の心が動いているということで、うまいなと思う。そして狂児より聡実の方が狂っており、感情が重いということもよくわかる。

○2024/3/26(火)
今日したこと。
・食料を入れている引き出しの整理。
・メルカリでほしかったぬいぐるみを購入。
・洗濯機の槽清掃。
以上。

Netflixオリジナルアニメ『キャロルの終末』1話

観る。

7ヶ月後に惑星が地球に衝突し、世界が終わることが確定している。
人々は世界の終わりを前に、みなやりたいことをやっているが、キャロルはやりたいことが無く苦しむ。

キャロルは日常を愛する人だったのだろう、日常が失われた時、そういう人はどうすればいいんだろう。

○2024/3/27(木)

朝、ウグイスを2羽見る。

完全セルフの業態のカフェに初めて行った。思ったより清潔だし、時間制限もないし悪くないかも。

片頭痛の予防薬をもらいに病院に行く。かかりつけの病院は建て替えを行ってから壁が黒くなり、待合室の雰囲気が「AZUL BY MOUSSY」の店舗みたいになった。

あるとんかつのチェーン店に行った。ランチ時のためかビジネスマンがひしめきあっていたが、上品なマダムの客が、店員を呼びつけたと思うと、食べていた唐揚げ定食のからあげの断面を見せ「これちょっと赤いけど大丈夫?」とクレームを入れていた。

すぐに店長らしき人がやってきて、「申し訳ありません、作り直します」と言うとマダムは「じゃあお願い。1個だけでいいわよ」と言っていた。

赤かったのが1個だけだから、1個だけでいい、ということだったのか、それとも単に満腹だったのかはわからないが、「ああ、これだな」と思った。主張すべきことは主張し、それでいて必要以上は求めない。スマートだ。今後は自分もそうしよう。

期間限定出店の『あんバタ屋』のあんぱんとガレットを買う。並んでいる間、店のリーダー的な男性が「東京でしか買えない」「通販じゃ買えない」「いつもこの時間なら売り切れてる」「東京だといつも売り切れ」ということを繰り返し言っていた。要するに機会を損失したくない、という人心に訴えているわけで、自分も買うつもりがなかったのにガレットまで手に取ってしまった。

別の店だけど、よく来る某有名パン屋の販売のおじさんとかもすごいんだよな。パン屋さんに共通した何か呼び込みのノウハウとかがあるのかな。

ひよこのぬいぐるみと、ラグビーボールを持ったロボットのぬいぐるみが並んでいます。
ひよことラグビー

あとはひよこのぬいぐるみを買った。店員さんがおまけに謎のラグビーロボットのぬいぐるみをくれてすごく嬉しかった。

○2024/3/28(木)

『夏目アラタの結婚』11巻

読了。

あれですね、うっかり10巻を飛ばして読んでしまった、それでも面白かった。すいません、ちゃんとした順番で近日中に読みます。

アラタの母親が激マブで好き。

この作品のヒロインの殺人鬼『品川真珠』はとにかく魅力的でかわいく、読者もメロメロになってしまう、普通であれば、「実は真珠は殺していなかった」とか「やむにやまれぬ事情があった」とか、そういう話にしてしまうが、この作品はそういった安易な展開にはせず、「やっぱり殺してたし、真珠はヤバい女である、でも……それでも」という展開になっていて、誠実だな、と思う。

自分はこういった誠実さに触れたくて、フィクションを摂取しているところがある、現実の人の感情や社会にちゃんと向き合おうとすること、何より空想の存在であるキャラクターの内面を信じ、都合よく振り回さないこと。

○2024/3/29(金)
春の嵐。

『令和元年のえずくろしい / 大山海著, 上梨裕奨原案 』

読了。

最悪のシェアハウスで起こる、最悪な連中の最悪なできごと。
同作者の『奈良へ』がかなり好き。前作と作風が大きく異なり、今作はかなり後味が悪い。読んでいても苦しい部分が多かった。

でも、なぜか漫画のラスト、「れお君(最悪)が、最悪なことを言いながら、最悪の涙を流すシーン」のことを、何度も思い出してしまう。

あと唐突にマジックリアリズム的な不条理が起こるのが好き。

○2024/3/30(土)

コックの豚のフィギュアが3つ並んでいます
同じ豚3体

公園に桜を見に行く。桜はまだ二分咲きぐらいだった。
公園ではキューバサンドフェスを売っていて、食べ比べをした。アンケートに答えるとガチャガチャを回すことができ、同じ豚フィギュアが3つ出た。

『もちを食わせてくる妖怪・その他 / 市田著』

読了。

市田先生の漫画は20年ぐらいずっと好き。
今回も「もちを食わせてくる妖怪」とのなんか艶っぽい関係が面白い。
Kindleで無料で読めるので、絶対読んでください。

○2024/3/31(日)

『スナックvsシェフ ~華麗なるオヤツ~』7話

鑑賞。

Netflixシリーズのリアリティショー。
この番組は海外のスナックを様々なシェフが再現する、1ラウンド目と、
テーマに合わせた創作スナックを作る、2ラウンド目で勝敗を争う。

第1話では、あるシェフが油鍋で爆発、発火を起こしたり、再現スナックの出来が全員(本当に全員)酷かったりと「なに?」というところが面白い。

今回はセミファイナル。この番組は出演者の技術も、番組の作りもどこか危なっかしく、それが偶然にもスナックというテーマと合致している不思議なリアリティショー。
フェイクが本物に至ろうとする情熱そのものがラーメン…的なやつだ。

家人と行きつけの保護猫カフェに遊びに行く。
長毛のお気に入りの子の引き取り手がみつかったそうで、会えるのは最後だ。
最後にいっぱい触らせてくれた。よかったね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?