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個人面談をしてくれた先生のおもひでをお手紙調に綴る

先生、お元気ですか。
もう先生のお名前も顔も綺麗さっぱり忘れてしまいましたが、進路希望の面談のことはよく覚えています。

進路希望に関する面談をした時、「愛知県立芸術大学のみ」と答えた私のことを鼻で笑いましたね。
その態度に、今後先生には決して絶対頼らない。と、謎の決意をした事をよく覚えています。

第3希望まで書かなければいけなかったと思うのに、果たして私は他になんと書いたんでしょう…白紙だったのかな。(とんがった当時の私ならやりかねない)

それにしても、多感な高校生の進路希望を鼻で笑っちゃダメです。

同じような話で「家業の看板屋で父を手伝う」と言った同級生のこともバカにしたそうじゃないですか。彼女、悔しくて泣いてました。絶対に人生のトラウマじゃん、ね。

先生の尺度では、国公立大学に進学することが全てだったんでしょうね。
愛知県内の某私立大学は、授業料が比較的安価なので「全ての生徒が受験するように」とお達しがあった気がするんですが、流石に現在ではそんなこと言ってないですよね。

今思い返してみると、大学進学について熱く語っていらっしゃいましたが、肝心の大人になってからの話は何も伺ったことがありませんでしたね。

先生の受け持ちの倫理の授業が本当につまらなくて、授業中にクロッキーをしていた私に「授業中に何をしている」と声をかけられましたね。
「(芸大の)受験勉強です」と言い放った私を無言で放置してくれてありがとうございました。おかげさまで、私は今でも好きを仕事にしています。

あの授業で先生が仰っていた「アイデンティティ」という言葉の独特なイントネーションは今でも時々思い出しています。
「モラトリアム」という言葉も先生に教わった気がします。
椎名林檎の歌を聞くたびに、先生を思い出します。

トキントキンだった私も、今ではかなーり丸くなりました。
先生と今お話ししたら、また全く違うお話ができるのでしょうね。

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