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医師、稲葉俊郎さんの記事を読んで

昨日、医師の稲葉俊郎さんと言う方の記事「自然が壊されすぎてウイルスの居場所がなくなり、人との「距離」が近くなった」 を読んだ。

文章の中で「どんな人にも、その他の生命にも「居場所」と言うものは必要」だと言うことが出てきました。これはとても当たり前のことのようで、意外と人間は人間以外やもしかしたら人間同士に対してもそれを脅かしてしまっていることがあるのかもしれないと思った。

この記事の中で、稲葉さんが自宅の庭の草を全て刈り取ったら、家の中に虫がたくさん入ってきてしまったという事が書かれていた。身近なところでいったらそういうことがかなり頻繁に起きている。

自然農の三つの原則の中の一つで、「草や虫を敵としない」というものがある。草や虫を敵として、全てを排除しようとすると、自然のバランスが崩れてしまう。殺虫剤などを使って排除すれば、その虫たちを食べる他の生き物たちも居場所を失ってしまう。バランスが崩れた畑では、肥料や農薬がないと作物が獲れないようになっていく。また、周りに生えている草を刈りすぎてしまうことも、同じようにバランスを崩すことにつながる。野菜の周りに色々な種類の草が生えていることで、野菜の方には虫がつかないことが多い。逆に言えば、周りの草を刈り過ぎてしまうことで、野菜に虫がついてしまい、葉や実を食べられてしまう。

生き物たちも、そんなふうにして居場所をいつも求めている。それを互いに壊さずに、人間も生き物も同じ自然の一部として距離感を保ち、バランスを取っていけたら、もしかしたら何か一つの生き物が異常発生するようなことも少ないのかもしれないと思った。

人同士でも、職場に居場所がない、学校に居場所がない、家庭にも居場所がないと言う人が、居場所を求めて何かにすがったり、それができなくて命を絶つ選択をする人がいるのかもしれない。それだけ、生命にとって居場所というものはなくてはならないものの様に思う。

この記事の中で稲葉さんは、ウイルスに対して短期的な対応だけではなく、長期的な対応をしていく必要があると言っている。長期的な対応とは、「壊し過ぎた自然を再生すること。役所の役割と割り切らず、それぞれの立場、役割の中でできることから、小さい範囲から取り掛からなければならない」と述べている。今は、医療でいうところの短期的な対症療法的な部分にばかり注力してしまっている部分もあるのかもしれない。

それぞれができる小さい範囲というのは本当にたくさんあると思っている。いきなり大きなことをしようとしても長続きしなければ意味ない。どんなに小さなことでも、それを多くの人が毎日続けていったら変わることがあると思う。

自然が壊されていることは知っていても、今のこの便利な暮らしから抜け出せない、抜け出したくない。という言葉を身近に聞いたことがある。私もそういう気持ちは確かにあるけれど、その人ができる本当にちょっとしたことからでもいいのではないかとも思う。一人がちょっとのことを変えたくらいで何も変わらない、と言うかもしれない。でも、やってみても自分にとって悪いことってそんなにないんだったら、試しにやってみてもいいんじゃないかと思う。

先週くらいから今日にかけても、各地で大雨による河川の氾濫が起きて、人の命が奪われている。これも、温暖化が影響しているという話もある。人は、落ちるところまで落ちないと変わろうとしないのかもしれない。でも、私たちが暮らす地球はもう随分とギリギリのところまで来ているようにも思う。

小さなことからできること。例えば、1週間に4日肉を食べている人が3日に減らすこと。包装が比較的過剰でないものを選ぶこと。少し値段が高くても有機野菜や自然栽培などの野菜を選ぶこと。庭の除草は除草剤から草刈機、または手刈りにしてみること。服はお気に入りのものを長く着ること。1週間のうち5日外食していた人が4日に減らすこと。夜は早めに寝ること。水筒を持ち歩くこと…他にもたくさんちょっとしたことから変えていけることがあるように思う。

それに、自然にとっていいこと、と言うとなんだか壮大で遠くの話のような気がしてしまうが、やってみることの大半は、自分にとってもいいことが多いような気がしている。例えば、お気に入りの服を選んで長く着ることだって、なんとなく流行り物の服を買っては飽きたり流行遅れだと捨てる時、本当にそれは自分が好きな服だったのか、ただ流行に合わせていただけなんじゃないか。広告や友人の言葉に流されていただけなのではないか。本当に自分が気に入った好きなものを長く大切に着ることで、自分の1日の気分も良くなるような気がする。

私自身、肉や魚を少なく食べることを今2週間ほど続けてみて、とても体の調子が良いことを感じている。以前までは、夕飯には肉か魚をほとんど必ず食べていたが、今は本当に食べたいと思った日に食べたい量を食べるようにしている。長らく便秘に悩まされていた私たち夫婦は、二人揃ってここ2週間ほど快便だ。そして、肌荒れも確実に治ってきている。それが肉を少なくしたからなのかはまだよくわからないが、ご飯を食べた後の胃もたれみたいなこともなく、常に体の調子がいいように思う。

無理なく、楽しみながらできることから、私は少しずつ変えていきたいと思っている。


人も、その他の動物も、植物も、ウイルスも…居心地のいい居場所を求めている。それを侵しすぎることなく暮らしていけたらと思う。





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