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葉っぱ切り絵の神様の『才能よりも行動力』に救われたハナシ

ハンドメイドが好きです。
27歳の時にいつかどこかで出店できたらいいなぁ、とたまにハンドメイドのイベントに出かけては、作家さんたちにお話しをきかせていただいてました。

2019年には無謀にも北海道では最大級のハンドメイドイベント、『サッポロモノヴィレッジ』に初めての出店で参加させていただきました。
今思うと出店デビューがモノヴィレとは大それた真似をしてしまったのでは……?と思うのですが。

そして今、なぜかありがたいことにJR札幌駅のステラプレイスという、ちょっと5年前の自分に言ってもすぐには信じてもらえなさそうなすごい場所で委託販売と、ときどき対面販売をさせてもらっています。
これを書いている今は200個の納品のノルマをなんとか切り抜けたばかりなのでセーフセーフ!と思っておりますが、きっとまた後々『今思うと私は分不相応な場所でとんでもないことをしてしまったのでは?』と思うことでしょう。

これは単純にたまたま大先輩の作家様や周りの方に恵まれて、たまたま沈みがちな私を引っ張りあげてくださったラッキーのおかげでして。
自分の才能だとか実力だとかいうつもりは毛頭もないのです。

で、本題です。
今、私が反復性うつ病のリハビリがてら通ってる作業所には私よりもすごい利用者さんがたくさんいます。

自分の世界観が確立している人。
毎日作品を仕上げられる人。
なんでこんなに綺麗に作品を作れるのー!?と驚くほどすごい人まで、皆様々な個性があって素敵な作品だらけです。

私としては、みんなには到底かなわないなぁ、と思うことだらけです。

みんなのほうが絶対すごいのに、果たして私が物作りをしていていいのだろうか。

特に絵なんて上を見たらキリがないのに、私が細々と趣味で続けて独学で描いたポストカードやら缶バッジを売っていていいのだろうか。

イラスト⇔羊毛フェルトの想創幻獣シリーズ。
イラストを『復現』(立体化)するというコンセプトで作っています。


さらにはミニ原画なんていう、私には恐れ多い分野まで先日納品してきちゃったのだけれど、果たして本当によかったのだろうか……。

『ろうそくおばけのポッケ』。
溶けたろうそくからできた、
『あなたの心をぽっと灯すおばけ』です。


作る時は楽しくても、作り終えると悩むことだらけです。
基本的に障害年金でほとんどの生活費を賄う中、いくつも重なった偶然のラッキーで、自分の中ではお仕事的な立ち位置にちょうどハンドメイドが入りかけているところだけれど、そんなラック(幸運)極振りみたいな私にとって、ドラゴンクエストでいうなら初期装備の『たいまつ』レベルの武器として扱えるのはせいぜい『当たって砕けろ』の行動力くらいなのです。

ただ、この行動力は、昔の自分が持ち合わせていなかったものでした。
ラック極振りの中で、たいまつレベルといえども、自分の中で間違いなく培われてきた力です。
最初のうちは前に進みたいのに細かなことが気になって進めず『お釣りが足りなくなったらどうしよう』とか、『一人で出店するのにお手洗いに行きたくなったらどうしよう』とか、『通販するのに途中で郵送事故にあったらどうしよう』とか、今思うととても小さなことで悩んでじたんだを踏んでいました。

でも、やってみるとなんだかんだで案外なんとでもなることも多いのです。
もちろん、その場その場で壁にぶち当たって砕けそうになることもしばしばなのですが。

例えば、お釣りの準備が不安だったら多めに準備をしていけばいいし、郵送事故が心配だったら特定記録などの追跡のついた方法で発送すればいい。
それで困った事態が完璧に防げるわけではないけれど、もしも万が一のことが起こってしまったらその場その場で誠実に対応をすれば、なんとかなるのではないだろうか、と思えるまでには少し成長しました。
羊どころか、亀の歩みですけれども。ええ。

そこに来て、葉っぱ切り絵でご活躍中の大好きなアーティスト、リトさんがインタビューで、こんなことを答えていたのです。

『一番熱があるうちに、まずはやってみる』

『才能よりも行動力』

と。

出典:

リトさんのこの言葉は、欠けた心にパズルのピースがはまるような感覚でした。

たとえ私に才能がなくても、周りに優れた人がいくらでもいようとも、行動力がたいまつレベルであっても、一応自分の目の前に現れたスライムを倒す武器にはなるのでしょう。
雲ひとつない青空の明るさには及ばなくても、ふわふわして危うい足元を照らすくらいはできそうです。

周りの才能に目を向けるのも大切だけれど、自分にできることにもちょっと目を向けてみる。
目を向けた時にどうしても見えてしまう自分の弱さや小ささはとてもこそばゆいし恥ずかしい。
けれど、自分なりの武器や明かりを使って自分のできることを把握して、そこに確かに存在することが分かれば、お先真っ暗な中でも少し安心して進めるかもしれないなぁ、と感じる今日この頃です。

彼方雲の上を向いて歩いてばかりだと、足元の小石につまずきそうですしね。
もう少し自分の足元にも注意をはらって、後ろ向きになりがちな気持ちをほんのちょっとずつ、前に向けていけたら、また新しい武器の入った宝箱が見つかるかもしれません。

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