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天変地異が起きた世界で

目に見えないものに振り回され続けて一年が経った。

家を出るのも正解、出ないのも正義で、自分自身の正義を振りかざした人たちが警察並みに目を光らせた。そのギラギラは鋭く刺さる。だってどちらも正しいのだから。正しいが正しいを制し合う世界が一瞬で出来上がった。

入社した時、人は言った。
『絶対潰れることなんかない、一生安泰だね!』
絶対なんてないよなぁなんて奥底で浮かんだ一言を喉でひねりつぶしながら、へらっと笑った若い私。

今ではもう、本来なら一瞬で潰れるほどの借金を、私の会社は背負っている。
あの時の私の喉の奥、捻ったはずの言葉が、カクカクとゴシック体で頭に浮かび上がる。

ねえほら、絶対なんてないじゃない?

正義って何で、絶対はどこにあって、永遠は何者なんだろう。
全部ないけど、じゃあ言葉として存在してるのはどうしてなんだろう。

やっと独りじゃない、なんて思った矢先、
私は独りだったりする。


昨日笑いかけてくれた人、両足そろえてキッチリ立って電車を見送る駅員さん、どんなに結果が出なくても踏ん張るひと、抱っこと叫ぶ子供を笑いながら疲れた顔で抱き上げる親御さんも、ぜんぶぜんぶ

報われてくれ。良いことがあってくれ。忙しくても充実がありますように。寄り添ってくれる何かがありますように。今日のご飯が美味しくありますように。

大変なことより、良いことの方がちょっぴり多くありますように。

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