そうか、父さんは死んじゃったんだよな。~序章:父の葬式を前に~
四日前、父が死んだ。
自分でも今、
どんな気持ちでこれを書いているのだろう、
と訳のわからない想いになるが、
明日には父の肉体がこの世から消えて
無くなるのだという事実に、
断続的な不安感や動悸を覚える。
漠然としている思考や感覚を書き出すことで、
少し落ち着きたかったのだ。
見た目は十分落ち着いている。
父親の死に対して冷淡にも見えるほどに。
けれども内側のところでは様々な感情が、
意識の中で追いきれないほどに
渦巻いているのだ。
「死」というものの正体の不可解さに、
頭で懸命に理解しようとする冷静な思考と並行し
体がちゃんと追いついていない感覚。
また、すでに父の体からいなくなった
彼の意識や、心や、
声の行方について考える。
今まで少しでも、身近な人が亡くなった
という経験がない。
ほとんど関わり合いのない人のお葬式に、
片手で数えられる程度参列したくらいだ。
時々感情が止まらなくなり
息が詰まるほど泣いてみたり、
その反面、
「父は肉体から解放されて、
とても心地のいい場所へ行ったんだ」
と思って安堵してみたり。
普段と変わらぬように気丈に振る舞ったり、
残された家族でおちゃらけて笑ってみたり。
(お風呂の湯舟に
つかりながら書いていたのだが、
ここまで書いたところで、
家族の前では無意識に強がって
なかなか出なかった涙が
ボロボロと出てきて止まらなくなり、
この日は書くのをやめにした)
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