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宿泊施設が情報発信をする目的とその効果

CHILLNNに登録してくださる施設が日に日に増えてきました。ありがとうございます!CHILLNNはOTAではなく、宿泊予約のD2Cプラットフォームと定義しているのには意味があります。

この記事ではなぜD2Cプラットフォームなのか、そして宿泊施設が”自ら”情報を発信していく目的とその効果についてHOTEL SHE,を運営してきて実感したことを踏まえて説明いたします。

そもそもD2Cとは?

D2Cとは、「Direct to Consumer」の略で、”消費者に対して商品を直接的に販売する仕組み”のことを指します。すなわち、自社で企画・製造した商品を、ECサイトなどの自社チャネルで販売するモデルのことです。*1

D2Cはもともと、メーカーなどが卸しなどを通さずに顧客に直接商品を販売するモデルです。事例でいうと、米国のスーツケースブランド『Away』が有名です。AwayはWebサイトやSNS、雑誌を通してブランドの世界観、ユーザーが読みたくなるような旅にまつわるコンテンツを制作することで人気を博し、直接販売を伸ばしています。

宿泊業界では今までリアルエージェンシーやOTAなどを介してゲストから予約をしていただくことが大半でした。

数多くある宿泊施設から選んでいただくには、自施設がどのようなものなのか宿泊客に知っていただく必要があります。その手段として代理店(リアルエージェンシーやOTA)は機能してきました。もちろん、今後もその役割を担うためにその存在が全くなくなるということはないと思います。

ですが、実際に代理店を利用することでデメリットが発生することも日々運営している方は感じているのではないでしょうか?そのデメリットを少なくするのに宿泊施設が自らゲストに宿泊体験を販売する、その手段としてCHILLNNは誕生し、D2Cプラットフォームとしてサービスを提供しています。

D2Cのメリットとは?

私はD2Cというモデルを知り、詳しく知りたいと思って専門書籍を読んだところ私が働くHOTEL SHE, やその他L&Gグローバルビジネスの各施設で行ってきた運営手法に似ていることを感じました。*2

そしてD2Cのメリットをいくつか体感しました。

1. 自施設の魅力を自らの言葉かつ、好きな方法で直接伝えることができる
2. その魅力を良しとしてくださるゲストが予約をくださるのでミスマッチが少ない
3. ゲストと直接コミュニケーションを図ることで何を求められているか知ることができ、サービスを改善しやすくなる
4. SNSを通して宿泊前・後も継続的に関係性を持つことができる

一つずつ詳しく説明していきます。

1. 自施設の魅力を自らの言葉かつ、好きな方法で直接伝えることができる

リアルエージェンシーやOTAを通して情報を発信すると伝えられる内容や伝え方に制限が発生します。どのようなコンセプトの施設なのか、どのようなスタッフがいて、何を体験できるのかなど日々、より魅力的なサービスを提供しようとされているみなさんは、「伝えたいこと」がたくさんあるかと思います。

ゲストに直接、宿泊体験を販売するD2Cモデルでは工夫の仕方によって、伝えたい・知ってもらいたいことを直接、届けることができます。Instagramで施設のこだわりをビジュアルで伝える。新しく考えた宿泊プランをTwitterでリアルタイムに発信する。そのようなことが可能になります。


2. その魅力を良しとしてくださるゲストが予約をくださるのでミスマッチが少ない

HOTEL SHE,ではInstagramやTwitterを見て予約をしたという方がたくさんいらっしゃいます。日々、ゲストの方がたとコミュニケーションをとる際に感じるのは、SNSを通じて事前に施設のことを知ってくださっている方がミスマッチが発生しずらく、ゲストも我々スタッフも満足度が高いです。

OTAだとどうしても、価格や立地などの情報で宿泊を決めることが多いです。”誰にとっても完璧な宿泊施設”はもちろん存在しないので、上記のような決め方だと宿の特徴や魅力とゲストが求めていることにミスマッチが発生してしまいます。

その点、D2C的なアプローチだと「うちは料理が美味しいんだ」とか「音楽を楽しむことができるんだ」など自施設のこだわりを伝えることができます。そのこだわりを気に入ってゲストは予約をしてくださるので結果として満足度の高いものになります。


3. ゲストと直接コミュニケーションを図ることで何を求められているか知ることができ、サービスを改善しやすくなる

ゲストとのコミュニケーションでサービスが改善された事例といえば、HOTEL SHE, OSAKAの「PREMIUM BIRTHDAY PLAN」があります。

こちらは、もともと「BIRTHDAY PLAN」があったのですがゲストのご要望を元にバージョンアップしました。その結果として今まで以上に大人気プランとなり、ほぼ毎日1組はご予約をいただくような結果となりました。

SNSをきっかけとして人気になったサービスもあります。直近だと『詩のホテル*3』や『泊まれる演劇*4』などがあるのですが、過去全ての企画が成功しているわけではありません。

アイデアを考え、その内容を発信し、大きなリアクションをいただいたものが『詩のホテル』や『泊まれる演劇』です。すごく魅力的な企画だと思っても、想定したより反応が少なかったことはたくさんあります。ですが、その反応のお陰で「この企画はニーズがあるから形にしよう」とか「このアイデアは別の形にしよう」などサービスを改善しやすくなります。結果、速いスピードで数多くの施策を実行することができます。

4. SNSを通して宿泊前・後も継続的に関係性を持つことができる

今までだと宿泊前はパンフレットや公式サイト、OTAでの情報、宿泊後はお礼の手紙など宿泊前後の関係性は一時的かつ、ごく限られたものでした。

ですが、現在は違います。SNSを通して旅前も旅後もゲストとのコミュニケーションを取ることができます。実際、私も宿泊前にSNSで連絡をいただき宿泊時にホテルでお話をする。宿泊後も継続してやりとりをしている方が何名もいらっしゃいます。

そうなると、「新しい宿泊プランができました」と告知することで再度、ホテルに訪れてくださったり、ホテルが出しているアパレルグッズを購入してくださるなど、関係性が継続しリピートにつながります。


じゃあどうやって情報を発信をしたらいいの?

CHILLNNはD2Cプラットフォームで、施設が自ら情報発信し、直接ゲストとコミュニケーションをとることの必要性はわかった。でも急に始めるのは難しい!と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?

御花さんは、CHILLNNに登録したことで、ゲストがどうしたら泊まりたいと思ってくださるか考え、新しくプランを練ったり、Twitterを開始して魅力的な投稿を始めてくださっています。今まで想像だにしなかった状況を新たなチャンスと捉えて変化している御花さんは本当に素晴らしいと思いますし、我々も積極的にサポートいたします!

近々、御花さんに取材させていただき、他の施設の方にも役立つような記事を制作いたしますので、今までD2C的なアプローチをされていなかった方も一緒に頑張りましょう〜〜!

文:田中幹人

【参考情報】
*1:https://venturetimes.jp/venture-news/column/41499.html
*2:https://note.com/mikito_tanaka/n/n3ba88076a304
*3:https://www.lngglobiz.com/news/2895
*4:https://note.com/tomareru_engeki/n/nd19b1cc9cee8
【CHILLNN note 編集部より】
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