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vol.1 誕生と転機

今日は出かけようとしてうっかり通勤ラッシュと重なってしまった。

私は通勤ラッシュが苦手である。

あの殺伐とした駅の雰囲気と、ぎゅーぎゅーに詰め込まれたバックの底から出てきたおにぎりのような人、人、人。

そう思えば10年ぐらい前は平日毎日それを繰り返してたんだった。
そんな日々を思い出すだけで尊敬する過去の自分。(respect)

そしてそんな通勤ラッシュという戦場をサヴァイブしてまで守るべきものがある、今を生きる全ての人を尊敬している。(nuff respect)

が、私は無理である。

極力避けたい。
というかむしろ通勤ラッシュ抜きを軸に人生を設計したい。

そう、それが社会のレールから脱線したチルナンデス(40)の誕生の瞬間であった。


その頃の私は、アウトドアメーカーのオンライン事業部でECサイトの運営をしていた。

平日は毎日蛍光灯の下でパソコンに向き合い、画面の向こうにいるだろう人たちに向けてアウトドア用品を販売していた。

年間1億円以上の売上を作るために数千万の仕入れをし、インドアな作業を繰り返してアウトドア用品を売り捌く日々。

売り捌くといっても、基本的にはどこの誰かわからない人たちがクリックしてくれたのに対してクリックし返す機械的な作業である。

それでも出来ては消えるトレンドファッションと違い、全ての機能に意味のあるアウトドア用品には魅力を感じていたし、何度かのブームを乗りこなしながら決してなくならないアウトドアカテゴリーとその業界の人たちも好きだった。(現在進行形で)

アウトドアの業界に携わる人たちというのは基本的に自然の中で過ごすことについて考えているので清々しい人が多くて、アパレルにありがちなジメジメとした感じはない。(個人の感想)

そして、フェスやイベントなどに色々なメーカーの人たちと出展すると、キャンプしながら一緒に飲み食いし、いろんな話をする。

みんなエコとかオーガニックの関心も高かったので、私も自然とホールアースカタログやジャックケルアック、アリシアベイローレルなんかを読みながら「自給自足」とか「セルフビルド」「モバイルハウス」とかってそそられるよねーと思っていた。

私は昔から自分が好きなものに対する探究心が人並み外れているので、本やネットを読み漁り周りが驚くような知識量を溜め込んでいる。

そしてその知識量とそれを求める情熱が弾けた時が転機になっている。

今思えば「自然な暮らし」に対するそれらの条件が揃い始めた頃にとんでもないことが起きた。

2011年3月11日 東日本大地震である。





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