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「夜は昼の母」観劇感想


音楽ライブはもう何十回、多分3桁いくかもくらい行ってますが、観劇は2桁いくかいかないか。

でも暗く重たい文学好きな気持ちが、ここにきて動かされてしまったようです。
ラーシュ・ノレーンのことがもっと知りたい。
他の作品も見て見たい。
(パンフ買いました)

そんな私が感想をアンケートに書くのに自分の心の中を整理したくて、書いた記事です。
大変素人感想なので、ご容赦ください。

初回観劇+アフタートーク①の感想

16歳のダヴィドのちょっとした仕草や言動が気になる。
ずっと体のどこか動かしてたり、感覚過敏の描写、妄想、かまってほしがり、社会へのピュアな憤りと意見、母への執着、兄への対抗意識と憧れ、父母の会話を見ている時の視線…。
どこかで見たことある。
胸が痛い。

まさか30代のダヴィドが俯瞰している描写がいくつかあったとは!(アフタートークより)
なんとなく声色や喋り方が違ったように感じたところがあったので、そこのことかしら。次回は注意してみよう。
最後の方の1回は気づいたけど。素敵な笑顔であればあるほど怖かったな…。

父親がアルコール依存症。途中までは全然気づかず。
あれ…?って思ってからドキドキした。確かに序盤に兄弟がお父さんに接する時、なんかちょっと違和感を感じた気がして。次回見る時はそこを注意して見よう。
そうなのよ依存症の人って、アルコール摂取してなければいい人なんだよね。
そしてまたそうであるからこその呪縛…ダメな人だと見捨てられたらどんなに楽かと。
山崎一さんがお酒飲まない方だとアフタートークで聞いてびっくり。そして飲まない人の方が酔った演技上手い説も初めて知りました。今度から意識して見てしまいそう。

母親は「大きな声出さないで!」というセリフが印象的。
変な咳してるのにタバコ吸って病院に行くのもあまり気が進まないような母。
息子の話を聞いているようで聞いているのかわからない。ああ、いろんな人の顔が目に浮かぶ…その中には自分の姿も見えます。
出て行きたいという兄には、出て行かないでほしいと言い、家の中にいて何もしない弟には、外に出ろと言う。
母として自立してほしいから外に出ろというのだけど、16歳の息子は理解しているかしら?なんて思ったりもする。

兄は唯一まとも…に見えると言うか、まともでいなければならないつらさというか。
自分が働かなければ家業が回らない。父親はアル中。母親は体調が良くなさそう。弟は繊細で意味わかんない行動が多々あり。でも慕ってこられたら嫌な気持ちはしない。
そしてきっと外ではいわゆる陽キャなんじゃないのかな。家の中がめちゃくちゃだなんてこと、絶対出してないと思う。家から出て行きたいけど出て行くのは見捨てるみたいで行きづらいのよね。自分が兵役でいない間に父親がアル中で騒ぎを起こして入院したのも、少し負い目に思っているのかも。

家族の1日は「食事の時間」がタイムキーパーであり、団欒を繋ぎ止める時間でもあり。
でもろくに食べないで毎回終わっちゃう。
何かを象徴しているよう。

そして家族のいちにちの終わりは就寝。
明日が来るから寝ないといけない。
もう寝なくちゃ。
ああ、さっき私も口にした言葉だ。

家族とは。
愛があるがゆえの監獄。
逃げ出せない閉塞空間…。

とりあえず、息子のいるところで息子が入ってこれない話はしないでおこう。どうでもいい話も適当に流さず聞いてあげよう。そしたらうちの不安定男子も少しは落ち着くかしら。
思春期の繊細な男子は難しい。
心の中にナイフ持つようになる前にどうにかしなくちゃ。

…というすごく身の回りの感想に最後は落ちてしまう自分の小ささに嫌気がさしたところで、初回の感想は締めます。

2回目観劇+アフタートーク③の後の感想

もう初っ端の、幽霊のようなダヴィドにはびっくりしない!大声にもびっくりしない!
そう思っていたのにやっぱりドキッとしてしまう。

ああ、この子供達とお父さんの距離感はそういうことだったのかと、2回目だからわかることもあり。

アフタートークでときどき30代のダヴィドが出てくるというので注意して見ていた。
30代になる時は、声色も違うし背筋も伸びる?
ひとつだけ、夜のテレビを見るお話の時の声色が30代ふうだったのが謎だった。
他は俯瞰した視点だったのに、ここだけ何故か具体的な感じ。私の解釈が間違っているのかな。

ラジオの声は家族に聞こえているのかいないのか。
どこまでが実で、どこからが虚なのか。

両親のやり取りをずっと真似して呟くダヴィドに2回目にして初めて気づく。
お母さんとキッチンにいる時もおうむ返し。
そのおうむ返しがそのうち自分の言葉に…のシーンがすごく心に残る。

言い合いをしてる時とかに、変な間で違うことを言ってくるダヴィド。
家族が緊迫しているとき、子供ってどうでもいいこと言って無理矢理日常に戻そうとするけど、あれはそうなのかしら。
間が素晴らしいので笑っちゃうけど、笑った後に身につまされたりする。

アフタートークでは目の前に竪山さんと山崎さんがいらして緊張…
お二人は…特に山崎さんあの膨大なセリフを立ち稽古の初めから台本持たずにやってたと聞いてびっくり。
健一さんは台本離せたのは1月末、と笑い話のように仰ってたけど、シェイクスピア終わってすぐライブツアー(しかも新曲満載)だったよなあ…そりゃそうなるよね…と勝手に思ったり。

シアター風姿花伝を使うとしたら何やりたい?で健一さんは「弾き語り」と。
アコースティックギターに生声で演ったらさぞかし贅沢な空間となることでしょう…でもチケット激戦ね…

明日は楽日。
この家族ともお別れです。
しっかり受け止めてきたいと思います。

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