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立ち止まる小説

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#生きる

七歩先の情景と日常を

中心街から二歩三歩、いや七歩ほど外れた街に妙な落ち着きを感じて、喫茶店で注文した淹れたて…

ひの
3年前
29

またの機会に

「今回はご縁がなかったので、またの機会に」 遠回しに、必要とされない度量だと秤に乗せられ…

ひの
3年前
7

しがみつく

反対側のホームに並ぶスーツ姿の群れを見て、下り電車がやってくるホームにいる私が、開くドア…

ひの
3年前
15

平生とミルクフランス 2

ディスプレイにはパンと、その類だと言われても許せる食品が並ぶ。 塩パン、つぶあんぱん、こ…

ひの
3年前
8

平生とミルクフランス 1

太陽が高くに位置している時間に、執拗に照らしてくる窓ガラスと視点をずらすように、昼下がり…

ひの
3年前
7

不可逆式歩道橋

二車線の広々として車通りが多い車道を跨るように、長くてゴツゴツした歩道橋がかかっている。…

ひの
3年前
10

十進数と赤シート

試験当日の朝、最後の詰め込みと称して赤シートで隠しながら単語帳を繰り広げる。 電車の時間間隔と時刻表は生活の一部につけ込むことで暗記に成功していた。 想定通りのダイヤ運行の電車が到着するのを待ちながら、黄色い一線を越えることなく、目下のアンダーラインの文字を反芻する。 朝7時台恒例現象の死んだ顔をした烏合の衆に吸い込まれていく。向かう先も降車駅も異なるのに、全てが同じ絵に見える。 誰かから似通った仮面を手渡されているのだろう、人というよりは暗号がずらっと並んだ、景色の一