note初投稿、きっかけは金子賢
知り合ってから40年。結婚して16年。私の旦那は、私の言葉を信じない。
些細なことだが塵積も(ちりつも)で腹が立つ。
彼とは3歳の時に、保育園で出会った。小学校は学区の関係で一旦離れたものの、中学も同じ、なんなら席も隣同士。
互いの姉と兄も同級生。高校から付き合い始めて27で結婚、40歳を過ぎ今に至る。
こんなに古くからの馴染みの私の言葉を、彼は信じない。こんなことがあって良いのかと思うが本当に信じない。まじで。
彼は疑い深いのか?それとも今までの私の行いによるものか…。
先日、用があり彼と渋谷に出かけた。
渋谷駅は複雑だ。8月の炎天下、とにかく目的地に一番近い出口から出たい。
そこで、私はGoogleマップで調べB2出口が目的地に一番近いことが分かり、彼に伝えた。
案の定、信じない。
怯まず、情報ソースがGoogleマップであることを伝える。
が、彼は『最近のGoogleマップは信用でき無い』とサラリと言う。
これは穏やかではない。天下のGoogleマップ様に喧嘩腰である。そして最近の…って何?最近の若者はみたいなこと?
仕方が無いので、改札を出てすぐにある壁に貼り付けられたバカでかい地図で目的地とB2出口を指で示す。やっと信じたようだ。ホッ…
そして、ヤツは、さも自分は最初からB2出口を目指していたと言わんばかりに先導し、出口を出たところで、今度は目的地とは反対方向に向かって自信満々に歩いて行く。
おいおい!まじか!と突っ込みたい気持ちを押し殺して『こちらだと思うよー』と優しく伝える。
とにかく、お出かけ先で喧嘩はしたくない。
だけど、それにしてもだ。いかにせん。
絶望的に方向音痴。
とにかく夫婦とは忍耐はつきものだと先人達が言うし。確かに楽しく二人でいるために、寛容さは不可欠だと思う。一旦、無かったことにしよう。うん、無かったんだ!よし次!
あちらもきっと私の未熟さに、長年我慢してくれている。そう思い込むことで一瞬怒りが消えて感謝すら出てきそうだ。
買い物を済ませて、ご飯屋さんを物色。
おや!筋肉食堂!
赤身肉、高タンパク、低カロリーを謳う、レストランである。
美味しそうだなーとよだれを垂らしながら覗くと、凄い行列。
そして列の先頭に金子賢!!!!
すぐさま、彼に『金子賢が筋肉食堂に並んでる!』と伝える。ジロジロ見るのは失礼であるが、目立ち過ぎている。ファンだったことは一瞬も無いが、本物かっこよすぎる。
旦那、『違うでしょ、金子賢にしては痩せてる気がする』
私も今、名前を思い出したとこだが。おい、お前。金子賢の何だよ?金子賢の何がわかるんだよ!痩せてるだと?あの常人離れしたマッスル、男前、色黒、白い歯、イケおじ。何より筋肉食堂に並んでるのが証拠だよ!
金子賢様に迷惑になるので叫び出したい衝動を飲み込む。
やるせなくて隣のタコベルに駆け込み、ビールを注文。飲み干して帰路に着くことにした。
無かったことにすることが多すぎて、めまいがする。飲み込み切れないからnoteに初めて投稿する運びとなった。
互いに気に入らない部分はあっても、些細な事には目をつむっていたら、関係性は波のように変化するのかもしれないし、変わらなくても気にならなくなるのかもしれない。
私達は似た者同士、全く違うように見えて、認めたくは無いが同じ属性である。おちょこのように器が小さく、また繊細で、打たれ弱い、めんどくさい飴細工ハートの四十路の幼馴染夫婦である。
ダラダラと書いたが、日々のイライラを笑いに変えられたら嬉しい。そして私は可愛げのある、無防備なお婆さんになりたい。元来の性格上、かなり難しそうではあるがそれが望みである。
note、はじめまして。
きっかけを下さった金子賢さま、ありがとうございます。
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