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【青空文庫】アンデルセンハンス・クリスチャン「雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語」

気が付けばゴールデンウィークことステイホーム週間ですね。
みなさまいかがお過ごしですか?
私はシャツを漂白することにハマっています。
あともうすぐ誕生日なので祝ってください。

本日ご紹介するのは、アンデルセンハンス・クリスチャンの「雪の女王 七つのお話でできているおとぎ物語」です。

はい、大ヒット映画「アナと雪の女王」の原作ですね。
Amazonだとアンデルセンの名前がアンデルセンハンス・クリスチャンになっているのですが、Wikipediaと青空文庫の公式サイトだとハンス・クリスチャン・アンデルセンになっています。
何か、どこかで手違いがあったのでしょうか。

さて、「アナと雪の女王」の原作ではあるのですが、こちら、内容は全くことなります。
アナもエルサもクリストフもオラフも出てきません。
出て来るのは、雪の女王とゲルダという少女とカイという少年とあと色んな人間と動物と植物です。
雪の女王は悪いヤツだという噂を聞いていたので、どんな極悪非道な人なのかと期待しながら読んだのですが

言うほど悪さすることはありません。

カイという少年をさらって行ってしまうので、それは悪さと言えば悪さなのですが、何かもっとこう、村を一つ壊滅させるくらいのことを期待していたので、「あれ!?」と思ってしまいました。
そう、これは雪の女王がカイという少年をさらって行き、ゲルダがカイを探す旅に出て、色んな人や動物の協力のもと、カイを取り戻す、というお話です。

なのですが、ゲルダが雪の女王にたどり着くまでが長い!!
全然たどり着かない!!
そして、時々ゲルダを足止めする人が現れるのですが、いまいち悪い人ではありません。
寂しかったり、広い世界を夢見ていたり、ゲルダのことを可愛く思ったり、そんな人たちばかりです。

雪の女王も、誰かを苦しめようと思って何かをしているわけではなさそうです。
と言うか、雪の女王は、見た目の描写はあるのですが、心理描写や台詞が少なすぎて、何を考えているのか基本的に謎です。
恐らく、冷たくて白いから、その恐ろしさと言うか、ミステリアスさの演出なのだと思いますが、あまりに謎過ぎて、せめて何故カイをさらったかくらいは教えてくれないか、と私は思ってしまいました。
多分、寂しかったとか、好きになっちゃったとか、そんな感じなのだと思うのですが・・・。

そして、雪の女王の城にゲルダがたどり着き、いざ決戦か!?と思いきや、あっさりカイを取り戻します。
ビックリするくらいあっさりしています。
是非、このあっさり具合を体験して欲しいです。

この物語は、タイトルにある通り、七つの章でできています。
ひとつひとつはそんなに長くありません。
お子さんがいる方は、一晩ひとつの章を順番に、一週間かけて読み聞かせるのもいいのかな、と、思います。
いうほど怖いことは起こりませんので、怖がりのお子さんでも大丈夫だと思います。
ただ、青空文庫版は訳が古くて、今では使わない言葉が出て来たり、教会のことをお寺と訳していたりするので、現代版の新しい翻訳本を使った方がいいかもしれません。
とりあえず買う前に読んでみたいということでしたら、青空文庫版を読んで様子を見てみるのもありだと思いますよ!

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