傷ついた!と言われた日
『傷ついた!』
そう、友達にストレートに言われることは滅多にないと思う。
私も30年生きていて初めて言われたと思う。
『傷ついた!』
そう言い放った彼女に謝罪の言葉を捧げると、どうやら傷ついてはいないようだ。
『ほんとに傷ついたときは傷ついた!って言わない』
と、言うのである。
あぁ、そうなのか。
でも『傷ついた!』の言葉が出た以上、今私が発した言葉で彼女を不快な思いにさせてしまっている事実は間違えないのではないかと思う。
こんなにもハッキリと、大きく『傷ついた!』と明言する彼女を前に、少したじろいでしまう。
言われたのは1度目ではない。
彼女は云う『自分がこんなにも出来ないことを思い知らされる事が嫌だ』と、
そんなにも言わなくたってわかっているんだと。
人それぞれ感じ方が違うといえ、難しいなぁ、、、
そんなつもりは毛頭なく、強い言葉を使ってしまった事に反省している。
それを彼女もわかっていて、違う。と言っているわけだが、彼女のコンプレックスである、すぐに忘れてしまうという点に対して自尊心を下げるような言葉を投じてしまった事はやはり、間違いない。
そんな言葉に当たるとやはり人は痛いものだ。
だが、彼女は口癖的にこの言葉を使っている。いわゆるブームである。
最近めっきり聞かなくなったと思ったら、その時のブームであることが発覚した。
こちらも度々びっくりし、申し訳なくなるのでやめてほしい。
そして謝ると『違うんだって!』と反論される。
面白い女である。
そして毎回同じやり取りをして、彼女の方からさっきの事は無かったことにしてほしいと提案される。
面白い女である。(2度目)
無かったことになどできやしないぐらい、インパクトに残る出来事である。
きっと彼女はこのやり取りをほんとに忘れている。
忘れているというと怒られるので、
「記憶の引き出しが錆びついている」ということにしておく。(こちらから話をすると思い出せる)
手に負えないぐらいの忘れん坊ババアなのである。
私といるとリラックスしきっているのか、私の話したことはほぼ耳に入ってないし、覚えてない。(事が多い。)
なので私も強い言い方になる。
3度話しても聞き取れないので聞こえるように大声を出すと『怒らないで!』と怒られるのである。
おばあちゃんと孫のやり取りかってぐらい繰り返される会話が日常である。
その中で出た『傷ついた!』である。
ここで傷ついたという話に戻るが、
確かに人に向かって傷ついた!と言える人は余程度胸があると思う。
実際にほんとに傷ついた時に人に言えるかどうかとして、私は伝えた事がないからわからない。
言えない側の人間である。
ほんとに傷ついたときは言えないとしても、では今発している『傷ついた!』は何なのだろうと考えてしまうとこちらの申し訳無さが勝つ。
他にも実際に「あなたの発言で傷ついている人がいます。」と投書されたこともある。(それに関しては私も傷ついてるけどな。)
そんなこんなで、傷ついた事柄をわざわざ伝えなくても。とも思ってしまう。
私はハッキリ、強く物事を伝えてしまうタイプなので言動に気をつけないと。と、歳を重ねる毎に感じる。
伝えねばいけないことは信念を持って伝えようとは思うけれど、、、
素敵な言葉を使える大人になりたいと意識するようになってから『傷ついた!』と言われるのは余計響くものがある。
その度に自分に喝を入れながら、お上品に伝えられるように謙虚さを忘れぬように生きていきたいと思う冬の夜。
人は傷つき、傷つけられ、それでも今を生きてゆく。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?
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