七五三にぴったりの着物は?

3歳の七五三に、着物を着せてあげたいとお考えのご家族も多いのではないでしょうか。

3歳の七五三は「髪置きの儀」の儀式がルーツ

子どもの成長を祝う七五三は、日本の伝統的な行事として親しまれています。子どもの頃に七五三のお祝いをしたママパパも多いでしょう。現代の七五三は、多様性がキーワード。ご家庭の都合に合わせた選択肢も増えています。ここではまず、七五三の基礎知識と最近の傾向を押さえておきましょう。

七五三は平安時代から伝わる子どもの健康祈願

七五三のルーツは平安時代にまでさかのぼります。当時は医療や福祉が充実していなかったため、子どもが無事に3歳を迎えることは大変なことでした。

このような事情から、貴族の間で3歳の節目に子どもの健康と成長を願い「髪置きの儀」として祝う慣習が生まれたといわれています。そして時代とともに庶民の間にも広まり、現在の七五三のスタイルが定着しました。

お祝いする年齢は?

3歳の七五三は、数え年で祝うのが一般的でした。しかし、ライフスタイルの多様化に伴い、満年齢でお祝いするご家庭も多くなっています。

数え年でも満年齢でも、七五三のお祝いに違いはありません。ごきょうだいの七五三と合わせて同じ年にお祝いしたり、ご家族の都合に合わせたりと状況によってお祝いのタイミングはさまざまです。

最近では男女ともにお祝いすることも多い

かつては、3歳の七五三は女の子のお祝いであるというのが一般的な認識でした。また、七五三をする年齢は家族や地域の習慣に影響を受けることもあります。3歳の男の子の七五三をする予定はないご家庭もあるでしょう。

しかし近年は、かわいらしい時期の記念を残すという意味でも、女の子・男の子どちらであっても七五三をお祝いするご家庭が増えています。

3歳の七五三のお祝いの仕方

七五三の1日の流れは、参拝やご祈祷、写真撮影、食事会というパターンが多いようです。当日は神社やお寺を訪れ、お参りをしたりご祈祷を受けたりしてお子さまの成長を感謝します。

写真撮影はスタジオ撮影や出張撮影を利用するご家族が多い傾向です。ご家族が撮った写真だけでも思い出になりますが、プロに依頼すると、より美しく残せることがメリットです。

食事会は自宅でお祝い膳を宅配してもらったり、レストランを予約したりして、みんなで食事を楽しみます。ご家族のお好みのスタイルで、思い出に残る1日にしましょう。

【3歳の七五三】お子さまの衣装

着物や洋服を購入するかレンタルするか、衣装の準備もご家庭によってさまざまです。上のごきょうだいがいる場合は、手持ちの衣装を着ることもあるでしょう。和装・洋装は問いませんが、普段着のようなカジュアルすぎる服装は避けるのがマナーです。ここからは、3歳の七五三の衣装について詳しい情報を確認しましょう。

着物セット購入費用とレンタル費用の相場

着物を一式セットで購入する場合、1万円∼3万円程度が人気の価格帯です。ただし、ブランド着物や購入する店舗、色柄や素材などによって価格は上がり、また、小物の豪華さなどでも変動します。

レンタル着物も一式揃っているものがほとんどです。レンタルの場合は5,000円∼1万円円程度の価格帯のものが特に人気があります。呉服店のほか、自宅で選べるネットショップなどでも手配できます。

着物を着ない場合の衣装

七五三の衣装に厳格なきまりはなく、洋装でお祝いしてもOKです。よく動き回って遊ぶ3歳の頃は、洋装のほうがお世話もしやすく過ごしやすいメリットがあります。

男の子はスーツやシャツ+ズボン、女の子はシャツ+スカートやワンピースなどが洋装でのお参りの定番スタイル。タキシードやドレス風の衣装も候補に入れて構いません。移動や参拝先の状況、お天気などを考えて服装を選ぶのもひとつの手です。

【3歳の七五三】お子さまにふさわしい着物

七五三では、和装も人気のスタイル。着物の色や柄に厳格な決まりはありません。被布を着る場合は着物とのコーディネートも楽しめ、洋装ではあまり見られない、柄と柄を組み合わせる華やかさもあります。和装ならではのおしゃれを楽しみながら、お子さまの愛らしさを引き立てる一着を選びましょう。

3歳のお子さまが七五三で着る着物とは?

3歳向けの着物は、身丈の3倍の布を裁つことから「三つ身」と呼ばれ、並幅の反物の半分を使って仕立てます。

3歳の七五三の装いとして、晴れ着の上に被布という袖のない上衣を羽織るスタイルも定番です。硬い帯を締めず、兵児帯(へこおび)など幅が広く柔らかい帯を巻き、その上に被布を着ます。着付けが簡単で、帯の締め付けがない分、着心地が楽で着崩れもしにくいため、着物を着なれないお子さまにぴったりの衣装です。

被布姿にきんちゃくや鼻緒のかわいい草履を合わせれば、愛らしさが一層引き立ち、まだあどけない3歳にとてもよく似合います。

男の子は着物+被布のスタイルに加え、羽織袴も人気。羽織ではなく、袖のない陣羽織や裃(かみしも)を着るパターンもあります。凛々しく変身したお子さまは、ママパパが見たことのない表情を見せてくれるかもしれません。

着物の素材は正絹(しょうけん)とポリエステルがありますが、着心地がよいのは正絹の着物です。シルク100%ですのでしっとりと肌触りがよく高級感があります。

しかし、正絹の着物の価格は高く、ポリエステル生地のほうがお手頃です。また、ポリエステルの着物は汚れても自宅で洗えるのが大きなメリット。なかなかじっとしていられない3歳のお子さまの場合は、ポリエステル生地の人気が高いようです。

女の子の着物によく使われる代表的な柄

女の子の着物は色とりどりで華やかな柄が多く、ママもパパも迷ってしまうかもしれません。文様の意味合いを理解しておくと、選びやすくなるかもしれません。

【桜】
女の子の着物によく用いられる日本の国花です。五穀豊穣(ほうじょう)の意味をもつともいわれ、季節を問わず身につけることができます。

【松竹梅】
慶事や吉祥の文様として一般的に広く使われています。女の子の着物の場合、松と梅の組み合わせで使われることが多いのも特徴です。

【牡丹】
大輪の花を咲かせ気品ある姿は女性の美しさの象徴とされ、女の子の着物によく用いられます。

【扇】
末広がりの形から縁起がよいとされています。扇の中に花などが描かれ、華やかなモチーフです。

【鞠(まり)】
子どもの愛らしさを強調する文様です。「万事丸く収まりますように」との願いが込められ、多彩な色使いで華やかに描かれます。

【丸文】
終わりがなく、無限を表す縁起のよい文様です。丸の中に植物を描いたり、花を丸く描いた花丸文があったりとさまざまなデザインがあります。

男の子の着物によく使われる代表的な柄

緑や青、明るい水色のほか、黒や紺のダークカラーもかっこよく仕上がります。柄で着物の印象は変わるため、文様のもつ意味を意識して選ぶのもステキです。

【鎧兜(よろいかぶと)】
身を守る道具であることから、災いから子どもを守ってくれますようにという意味をもちます。

【鷹】
力強さを感じさせる鷹の文様は男の子の晴れ着にぴったりです。鋭い眼光が、先を見通す力、本質を見極める眼力を表し、太く丈夫な爪は幸運をつかんだら離さないという意味が込められています。

【打ち出の小槌(こづち)】
願った物が小槌から飛び出すというおとぎ話になぞらえて、お金や物に困らない人生を歩む、願ったことは何でもかなうという意味をもつ、縁起のよい文様です。

【軍配団扇】
リーダーの象徴を示し、知力や活力にあふれることを意味する文様です。進むべき道を誤らない、まっすぐ正しい人生を歩むことを表します。

【龍・鯉】
立身出世を示す文様で、飛躍や大願成就の意味をもちます。苦難を乗り越え成功を収めてほしいという願いが込められています。

被布の着物の着せ方

大人が着る着物と違い、被布は着付けも比較的簡単なのがうれしいポイント。プロに依頼しなくてもママパパが着せてあげられますから、着せ方を覚えておきましょう。

  • 1.肌襦袢を着せる(なければノースリーブの肌着でも可)

  • 2.足袋をはかせる(靴下タイプがおすすめ)

  • 3.長襦袢を着せる(左手を上前、右手を下に)

  • 4.着物を着せる(襟の合わせを長襦袢に合わせて)

  • 5.兵児帯(へこおび)を締める(なくてもOK、被布を脱いだときもかわいらしい)

  • 6.被布を着せる

【3歳の七五三】お子さまが着物を着る際に必要なアイテム

ここからは、3歳の七五三に着る着物のコーディネートに必要なアイテムを紹介します。着物+被布であれば男の子も女の子も準備するものに大きな違いはありません。セットの着物ならばほとんど揃っていますが、色柄をこだわって選びたいときは忘れずに準備しましょう。

着物・被布

三つ身の着物と羽織るタイプの被布は必須ですが、別々で選ぶ際は色柄がちぐはぐにならないよう気を付けましょう。お宮参りのときに着用した祝着(のしめ)をお直しして3歳用の着物に仕立てることも可能です。

襦袢・肌着

着物の肌着である肌襦袢は、着物と長襦袢を汗や汚れから守るのが役割。普段着ているノースリーブの肌着を利用しても構いません。

長襦袢は着物を着る際には必須です。白だけでなく色柄ものの長襦袢や、刺しゅうが施された半襟付きの長襦袢なども人気があります。

兵児帯(へこおび)・腰ひも

兵児帯は使わなくても構いませんが、締めていると被布を着たときに背中がポコッと出てかわいらしく仕上がります。被布を脱いだ際も兵児帯がアクセントになるでしょう。

腰ひもは長襦袢や着物を着付けるときに使うと仕上がりがキレイになります。長さと必要な本数は体型により異なりますが、4本∼5本準備があれば安心です。

足袋と草履

足袋は靴下タイプやストレッチタイプのものが伸びやすくはきやすいでしょう。草履は靴擦れ予防のために鼻緒をよくほぐしておきます。下駄のようなぽっくりタイプの履物もありますが、小さなお子さまには歩きづらいため、草履がおすすめです。

バッグ

3歳の七五三にはきんちゃくタイプのバッグがよく似合います。持ち物を入れる実用性よりもコーディネートの一部として選びましょう。草履とセットになったバッグは色柄が揃っているため、コーディネートも引き締まります。

女の子は髪飾りも

髪の長さやボリュームがあるならば、アップスタイルやツインテールにするとかわいらしさが引き立ちます。

個人差はあるものの、3歳の頃は髪が生えそろっていないお子さまも多く、髪飾りで華やかに仕上げたり子ども用のポイントウィッグを利用したりしてもステキです。和装に合うつまみ細工のコームやかんざし、花やリボンのUピンを重ねて、とびきりかわいらしいヘアアレンジにしましょう。


お子様のペースに合わせた撮影ができるよう、一組一組たっぷりとお時間をお取りしております。大切な思い出を残していただけるよう全力でお手伝いさせていただきます。

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