循環器系疾患との交友録 急性心筋梗塞1-01 ゆで卵事件

2016年の検診で胸部大動脈瘤の疑いありで、再検査となりました。造影CTによる検査を受けた結果、胸部ではなくて腹部に大動脈瘤が見つかりました。瘤の径がまだ40㎜程度だったので経過観察ということになり、時限爆弾を抱えた状態となりました。でも、自覚症状は何もないので、日常生活に特に変化はありませんでした。少し食事に気をつけるぐらい。
2017年10月、朝食中にいきなり息苦しさ、吐き気に襲われ、大量の冷や汗が顔から滴り落ちました。
すぐに救急車を呼んで、途中でドクターカーと合流して病院に運ばれました。地方に住んでいるので、近くに急性心筋梗塞に対応できる病院がありません。県都にある病院まで救急車で2時間(自家用車だと1時間と少し)ほどかかるので、ドクターカーの出動になったようです。救急車だけでは間に合わなかった可能性が高かったようです。
病院でカテーテル治療を受けて、血栓を全部取り除いてもらいました。冠動脈3本のうち1本は100%詰まっていて、もう1本も90%詰まっていたそうです。治療中はほとんど意識がなかったのですが、担当医師の「いま私は血栓の森にいます」という独り言を聞いたような気がします。担当医がおっしゃるには今まで見た心筋梗塞の患者の中で5本の指に入る血栓の多さだったそうです。心筋の壊死は20%ほどでした。
ちょうど朝食でゆで卵の殻を剥いていたときに発作に襲われたので、この一回目の心筋梗塞を家族は「ゆで卵事件」と呼んでいます。

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