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TM NETWORKだった私たちの話

関ジャムでTM NETWORK特集があった。令和6年にTMが特集される番組が見られるなんて。1994年のTMNプロジェクト終了に「なんでなん…小室さん1人だけ売れたから仲悪くなったん…?」と生きる希望を失っていた私に言うても絶対に信じないであろう。

紹介される1曲1曲に懐かしさと当時の気持ちと思い出と蘇り、もうリアル愛しさと切なさと心強さと。脳内で髪振り乱しながら歌う私、バックで小室さんがシンセサイザー弾いてた。


TMを好きになったきっかけは中3の終わり間際に付き合い始めた彼氏の影響だ。


そう私は自分が無い女。



その前に付き合っていた彼氏が「ユニコーン」を聴いていると知りすぐさまTSUTAYAへ走り、CDを借りる女。

初めて聴くユニコーンの楽曲。ポップなリズムと中学生の経験値では理解が難しいちょっと捻じ曲がった大人の言葉、なんかエロい歌詞…彼がどこに共感しているのか。正直良くわからなかった。

(ちなみにこれを書くために数十年ぶりにユニコーン聴いてみたけど、やっぱりちょっとよくわからなかったので自分の感性の問題だった模様)


しかしTMは私の心にズキューンとハマった!!!!


え、何この未来感溢れる音源とリズム!?聴き慣れない不思議な曲調!?歌詞もなんか文学的でステキーっ!!!!


脳内で冴羽了がゲワイしながら私の心を撃ち抜いた。スローモーションで向かってくる弾見えた。


多分当時の友達の影響でアニメを見ていたから割とすんなり入ってきた部分もあると思う。
そう私は自分が無い女。


友達が良いと言えば同じものを選ぶ。うん、アニメって良いよね!

てことでアニメ好きにはやはりユニコーンよりTM NETWORK。アルバム「CAROL」なんてもうピンポイントでアニオタ撃ち抜いた作品でしたよね。そりゃユニコーンの「ヒゲとボイン」じゃアニオタのファンタジー感じられない。


ちなみに、TM好きなその彼とは高校3年間丸々遠距離恋愛をしていた。


熊本と鹿児島。当時は新幹線も開通しておらず、特急有明で会いに行った。携帯も無い時代なので固定電話やテレホンカード買って電話ボックスから連絡をした。


私はかさむ交通費と電話代を得る為、学校にバレないようにファストフード店でバイトをした。時給500円の時代。ソフトクリームは150円だった。

ちなみに私はソフトクリームを巻くのがとんでもなく上手かった。あれ結構難しいんだよ。手首のスナップがコツね。

しかし先日食べ放題のデザートコーナーで巻いたら1巻目の土台が大きく、3巻目で今にも飛びかかりそうなトグロを巻いたヘビの頭が出来上がり大変ガッカリした。



話を戻そう

なかなか会えない話せない私たちはたくさん手紙を書いた。

お互いに週に1〜2通は書いて投函していた。今考えると高校生男子が筆まめによく書いてくれたものだと思う。


そしてその手紙の中にはよくTMの歌詞が書かれていた。


非常にあまのじゃくな性格の男の子だったので直接会うと私が泣くまで冷たくしたり意地悪をする(ひどい)

しかし手紙の中には相手をとても大切に思っている内容の歌詞が書かれておりとても嬉しかった。
ケンカした時には悲しい歌詞をチョイスしてあり、それを読んで泣いた。


「selfcontrol」聴きながら手紙を書き、「human system」を聴きながら相手のことを思い眠り、「still love her」を聴きながら登校した。私の高校3年間はTMの曲で出来ていると言っても過言では無い。


しかし予期せぬことが起きた




なんと彼は沖縄の大学に進学した。

我々の距離はさらに遠くなった。



もはや陸続きでなく、我々を東シナ海が隔てている。会いたくなってもすぐに行ける距離ではない。

それでもしばらくは今まで通り手紙を送り合い、電話ボックスから電話を掛け合った。


お互い新しい環境で、新しい人間関係を築き、どのくらい頑張ったのか覚えていないけれど別れの時が来てしまった。良くある話だ。

沖縄には1度も行くことはなかった。



あの頃、恋を覚えたての私たちにとって、遠距離恋愛は正直かなり過酷であった。


私たちは自力では越えられない、物理的距離に負けないように、手紙で歌詞を綴り気持ちを伝え合い、会えない長い時間にはTMの曲を聴きながら相手との繋がりを感じ、気持ちを確かめ合いながら3年も一緒に居た。

3年間、私たちは手紙とメロディで繋がっていた。

T(手紙)とM(メロディ)で繋がる(NETWORK)そう、私たちもまたTM NETWORKだったのだ。


(うまいこと言うたでドヤァ!


私たちの方が本家より先に解散してしまったが、今も曲が流れると自然と思い出すあの時の気持ち、愛しさと切なさと心強さと。

私の思い出の中では永遠にゲワイなふたりなのである。(どういう意味?)

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