数学の勉強法(後編)

この記事では、「3.過去問が解ける」について説明します。

※この記事は前回「2.応用問題集の問題が解ける」の続きとなっています。



用意するもの:過去問(滑り止めや、他大学の良問を含む)


 まず初めに、応用問題集を解くことと過去問を解くことの大きな違いは、分野が分けられていないことです。応用問題集は解けるのに、過去問が解けないのは、「今日はベクトルの応用問題を解こう」「今日は微積の応用問題を解こう」と決めてやっていることが原因の場合があります。前回の記事で、センスがある人は2の段階で難関大学の問題を解けるようになるかもしれない、と書きましたが、分野をまたがる問題にも、2の段階と同様にアプローチできるということです。


 前回の記事に書いたことを実践してくれた皆さんには、もう道具は揃っています。過去問解くことは、揃えた道具の中から、どの道具を使えば良いのかを選ぶ練習になります。

 過去問を解いた後は解説を読みますが、この時に、間違えた問題に対して「こう解けばよかったのか!悔しい!」という状態になっていなければなりません。解説の意味が分からない、この解き方は知らない、となった場合には、「2.応用問題集の問題を解く」や「1。基礎問題集の問題を解く」のフェーズに戻り、できなかったことを理解し直します。どの段階でも100%というのはありませんから、分からないところがあれば、ここで必ず潰しましょう。

 ここでやっていることは、基本的には「和文数訳」です。つまり、日本語の問題を自分の知っている数学の問題に落とし込む⇒「2.応用~」の力で問題が解ける、ということです。


 ここまで読んだところで、過去問は初見の問題ではないことにお気付きでしょうか。大学入試の9割は初見ではありません。しかし、東大や京大などでは、教授が賢すぎるあまり、それでもなおおおよそ初見といって良い問題が出題されます。この問題に対しては、

1.こうした問題を解けるまで数学力を高める

2.ほかの受験生も解けない問題であることに気が付き、飛ばせるようになる(所謂「捨て問」、貴方だけが解けないのではなく、周りも解けない)

という方法で対処することになります。1をやる時間をほかの科目に使う方が、コスパがよいと考える多くの受験生は2なのですが、2を本番に実行するには、やはり前回までの積み重ねがものをいうようになります。抜けているところがあれば、しっかり潰しておきましょう。



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