数学の勉強法(前編)

 この記事では、数学の勉強法について書きます。

 ※ここで紹介する方法については、難関国立大生の友人(東大模試A判定)にインタビューしたものをまとめ直したものです。


 まず初めに、高校数学初学者(中学数学はできる)が入試問題を解けるようになるまでの、大まかなステップは以下のようになります。

1.基礎問題集の問題を解ける(4プロセスや4ステップ、青チャート)

2.応用問題集の問題を解ける(プラチカや1対1対応)

3.過去問が解ける

この記事では、1について説明します。

※中学数学については、別の記事で出します。



用意するもの:教科書+教科書傍用問題集(4プロセスや4ステップなど)+辞書的な問題集(青チャートなど)

 この3種類の教材を選んだ理由は、これらの教材は定義や定理を一度使えば解ける問題がほとんどであり、こうした点で基礎問題と言えるからです(青チャートで応用と書かれている問題も、受験全体を通して考えると基礎問題です)。また、何故3種類を併用するのかというと、教科書や教科書傍用問題集は解答が丁寧ではないことが多く、そこで辞書的な問題集を用いることによって、その部分を補うことが出来るからです。また、青チャートは教科書傍用問題集よりも網羅しているため、これらの教材3冊を併用することが好ましいです。


説明に移ります。

 第一段階では、教科書の章ごとに教科書傍用問題集と辞書的な問題集を併用して解いていき、その章の8,9割を理解して解けるようになるまで周回します。


 ここで、「理解する」ということについて説明します。非常に重要なので、必ず読んでください。

 「理解する」というのは、問題を見た瞬間に解法(どの定義・定理を用いて、どのような流れで問題を解くのか)が分かるということであり、答えがパッと出てくるということではありません。この「理解する」が達成できているかを確認するには、人に説明できるかどうかやってみればよいです。以下のように、数学の先生に説明しに行ったり友達同士で説明してみましょう。

 例えば、「この問題を解くには、微分を使えばよい」ではなく、「この問題を解くには、微分を使えばよい。何故なら~だからだ」と説明できれば達成です。

 人に説明するには、問題を解くときに、何故その定義や定理を使うのか、その定義や定理を使うことによって何を導くことが出来るのか、を理解しなければなりません。問題集を周回するときには、このことを意識して解きます。


 つまり、その章の8,9割の問題に対して上記の解き方ができれば、その章を理解したことになります。そして、受験で使うすべての章を理解することが出来れば、基礎が固まったといえるでしょう。

ここまでが数学の基礎固めになります。ここがしっかりできていれば、地方国公立大の数学で6,7割をとるのに必要な知識が付いています。また、共通テストの問題を時間制限なしで解いたときに、7,8割できるはずです。


 以上のことからわかるように、基礎というのは、一度定義や定理を用いれば解ける問題の答えが一瞬で思い出せる力だと私は考えます。私が現役生の頃には、基礎というものをよく理解せずに、ただ青チャートを周回し、答えを丸暗記して基礎を固めた気持ちになっていました。しかし、これでは定理や定義を用いて模試などの問題を解くこともできるはずがなく、模試ではたまたま思いついた解き方で問題を解き、減点はされるものの、なんとなくできるようになった気持ちになり、入試本番ではあべこべな解答を書きました。

 浪人では、予備校の基礎問題集(定義や定理を用いて解く問題がほとんどであり、定理の証明も含まれていました)にあたったとき、固めたはずの基礎が全く固まっていなかったことに初めて気が付きました。予備校では、上記のような基礎固めをある程度無意識にしたことにより、模試でも大体解法が分かるようになりました。それでも自分の中で、厳密に基礎を定義できず、完璧に固めたわけではなかったため、やはり後期は伸び悩みましたし、入試でも基礎が何であるかをわかっている他の受験生を追い越すことはできませんでした。

 これから入試を控える高校生の皆さんには、基礎を必ず完璧に固めることで、模試や入試でしっかりと得点するための一歩を踏み出してほしいと思います。

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