見出し画像

運命の人

数年前、私には付き合って数年になる大切なパートナーがいるにもかかわらず突然これまで経験をしたことが無いような、自分を完全に見失うような恋に落ちた。

相手は20歳も年下で、それまで私が絶対に好きにならないようなタイプの人だった。

SNSで繋がって、そこでできた輪の中にいる人だった。音声配信で声を初めて聴いた瞬間に雷が突き抜けるような感覚があった。その時すぐに「好きになってはダメだ」と自分に言い聞かせたけど、そう思った時点で止まらなかったんだと思う。

これまでの私からは考えられないくらい彼に積極的に関わって、他のことが何も手につかなくなるくらいに彼に酔倒した。そんな私を彼は良い距離を保とうとしていた。

彼は私を必要だと言ってくれて、特別な人だと言っていた。でも恋愛ではないと。

わたしが好きだと言えば、彼はただ「うん」としか言わなかった。好きになってほしいと言うと
避けられた。受け止めてはくれるけど返してもらえない。求めれば彼は困ってただ「必要な人」というだけ。

毎日毎分彼からのLINEの返信を待ってた。
毎日声が聞きたかった。
毎日泣いてた。片想いがひたすら苦しかった。


そんな彼と数ヶ月後に恋人になり、別れて、復縁してまた別れて。その繰り返しの中でたくさんの気づきをもらった。何回も精神的に脱皮をするみたいな経験をした。

彼はわたしの中の闇を暴くひとだった。
自分のなかにこんなドロドロしたものがあったのかとたくさん気づく出来事が繰り返された。

今思えば、彼との激しい感情の衝突があるたびにわたしは成長してた。彼はわたしを成長させるために出会った人だと理解してからは、自分の心の問題を解決していくのがとても簡単になった。

彼が私自身の完全な鏡になってると気づいてからは、彼に感じる感情を紐解いたり自分側を変えることで彼がどう変わるのかを観察したりしてた。
わたしに鏡の法則の気づきをくれたのは彼なんです。

どうして彼に抗えないほど惹かれるのか。
気づけば私は彼のことを「この世で唯一、たった一人の大嫌いな人」だと言うようになってた。

あんなに好きで仕方なかったのに、好きなところが一個もなくて嫌いなところならいくらでも出てくることに気づいたんです。

でも、私が彼を嫌いだと思う部分をあげたら
自分自身のことだったんです。

彼は、私が嫌いな私自身の投影でした。

私が私を許して受け入れていくようになってから、少しずつ彼を許せないと感じることが減っていきました。彼と出会って別れてを繰り返して今4年かな?

今は彼とは、恋人でもなく友達でもなくただの知り合いでもない。姉弟とか親子とかそれに近い関係。「好きな相手」というワードで浮かぶのは彼だけど、一緒に居たいのは私が彼のことで苦しんでた時もずっと味方でいてくれた10年目になる別の人。


不思議だなって思うのだけど、彼ももう一人の彼も私が幸せでいてくれればそれでオッケーみたい。だから私は、自分が一番楽で幸せな状態でいることに集中をすることにしたんだ。

私が自分を愛せるようになったのも、自分に集中することができるようになったのも彼と出会ったおかげだと思ってる。

相変わらずめんどくさいし好きなとこ無いけど、そんな相手でも私は結局愛せるんだなと思うと、私自身がどんなでも愛すべき存在なんだと気づかせてくれるんだよね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?