乾いた文体、湿った文体

以前ドイツにいたときに、小説には乾いた文体と、湿っぽい文体があると書いたことがあるんだけど、今日ふとそのことを思い出して、ひとしきり考えていた。

乾いた文体で真っ先に浮かぶのがヘミングウェイ。ぱっさぱっさのぱっさぱっさで、嫌いじゃない。砂埃がもうもうとしてて日が照りつけるところで読む感じ。西部劇みたいな。

ポールオースター。ちょっとじめってしてる。霧につつまれた夜のロンドンとかニューヨークのイメージ。暗くて空気も悪いけど、なんかそんなところで読みたくなるような。

カポーティ。湿っぽい乾いた感じ。作品によってそのバランスが違う気がする。ソルティドッグを飲む傍らに良い。やったことないけど。

ルシアベルリン。ヘミングウェイに次ぐ乾きっぷり。プールサイドの日陰のベンチで読みたい。水しぶきでページ濡らしたりして。

フィッツジェラルド。湿っぽい、でもじっとりはしてない。シティライクなさらっとしたところはあるのに、夏の終わりのような、香ばしい香りをふくんだ風をまとってる感じ。ゆったりしたソファ席のある、薄暗い照明のカフェで読みたい。

つづくかも?それでは、また。

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