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9.6(創世記31 | 小説を読むことの原体験、めいたもの

昨夜は生理でお腹痛すぎて子どもの寝かしつけでそのまま寝て、というか、子どもより先に寝て、だいたい寝かしつけで寝てしまうと早く寝すぎて夜中に起きてしまいそこから寝れなくなることが多いんですが、昨夜は久しぶりに夜通し寝て、疲れ溜まってるなあ、と。8時間くらい寝た気がする。

週末、ラヒリのわたしのいるところ、を、2日にわたって読み終わり、長い話ではないんですが、短期間に小説を読み終えたのは久しぶりだったのでとても新鮮な気持ちになりました。この小説を読むのは2度目で、小説を再読して読み終えたのも久しぶりだったし、土曜日はひとりで晩ごはん食べながら、日曜はホテルの日帰りプラン行って部屋で子どもが寝てるあいだに読む、というのも新鮮だったし、とにかくひさびさの、至福の読書時間でした。

おとなになってからは、いま忙しいのもあるけれど、とにかく本に対する集中力、とりわけ小説に対する集中力、がなくて、それがとても悲しい、と、小説を手にとるたびに頭をよぎります。

どうしても、子どものころの、小説に対する原体験めいたもの、学校帰りや、朝起きて学校へ行くバスに乗るまでの、ギリギリの時間まで、ハリーポッターを読み耽り、シリウスがベールの向こう側に消えるところで大泣きしたり、毎朝、放課後、図書館に通って新しい本を借りたこと、引越したばかりで、まだ家に入れず、ホテルから学校に通い、まだ仲良い友だちもおらず、朝が憂鬱で、そんななか小説が救いだったこと、引越しの荷解きそっちのけで、原爆の体験記だったか、小説を読んでこれまた大泣きしたこと、そういう、生活のなかで、小説が大きな割合をしめ、その物語の世界に没頭していた経験、いわば小説との蜜月、めいたときのことを、細部はほとんど忘れても、そのときの気持ちは忘れられず、おとなになったいまも、小説を読むときに、どうしても比較してしまい、昔ほど小説世界に没頭できず、集中力も持たない自分にがっかりしてしまうのです。

だから、ひさびさにある程度集中して小説を読めたのはとても至福だったし、ここ数ヶ月は、小説以外を読むことが多かったのですが、やっぱり小説を読むときの、あの、そっちの世界に浸ることで、自分の心がひたひたと潤ってくる、あの感触、その、ひんやりしてるけどじんわりあたたかい、満たされた気持ち、は、何にも代え難いな、と実感して、集中して読めなくても、1ページしか読めなくても、なかなかあたり、と思える小説に出会えなくても、人に語れるほど理解して読めてなくても、やっぱり小説大好き、と思ったのでした。

それでは、また。

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