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生きているかぎり生きねばならない、ということに気付いたのは、396年と6日生き終わったあとだった。そのとき私は油でじゅうじゅう挙げたオールドファッションをかじっていて、その欠片が膝の上に落ちたのだった。何人もの人が、私の横を通り過ぎていった。コロッケやのおじさん、大福やのおばさん。生きることは前に進むんじゃない。ただ、風が立ったんだ、あのとき。

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