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生活は私を裏切り続ける

引っ越しが終わって数週間が経ち、料理と掃除の分担、つまり家事分担が、大きな歯車がぎい、と音を立てるように回り始めた。家事というのはこの「回る」という表現がぴったりで、昨日片付けた山盛りのシンクの食器は、翌朝仕舞われたと思ったら、お昼にはもう流しに放り込まれている。食器を洗ってラックに干して、それを棚に仕舞ってまた出して、をやっていると、文字通りキッチンでくるくると回っている自分に気づく。

やってもやっても終わらないのが家事で、これは私たちが死ぬまで一生続く。「美しくてていねいな暮らし」を目指しても、次の瞬間には床に自分の長い髪の毛が落ちている。生活はいつも、「暮らし」がしたい私を裏切り続ける。でも、私を裏切らない、自分に忠実な生活なんて、「死」と同義語だ。

生活は私自身の影みたいなものだから、自分の身体と心と、一セットで考えるくらいがちょうどよくて、私はそんな影と、今日もキッチンで踊り続ける。

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mao nakazawaさんがつくっているマガジン一服第二号の中の、すなばさんのエッセイに触発されて書いた記事。すなばさんのエッセイをはじめ、「一服」というキーワードに対し、第一弾よりさらに多義的に捉えられた写真やエッセイやインタビューやなんとレシピまで!盛りだくさんだった。届いた次の日、午後3時にコーヒー牛乳を入れてのんびり読むのにぴったりでした。こういうZINEって、本と違ってテーブルの上に広げられるからまさしく一服のおともにぴったりだと思う。

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ちなみに私は第一弾にエッセイを書かせていただきました。

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夫から、トイレにちょっとした読み物貼っておいてよ〜とリクエストがあったので、400字詰め原稿用紙にちょっとしたものを書くようになった。次のを書いたのでnoteに書き起こす。ちょっとめんどうだけれど、お気に入りの飾り原稿用紙の出番がやっときたようで嬉しい。

それでは、また。


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