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8.17

20度を少し超えたくらいの涼しい日が数日続き、ずっと曇り空で、あの、夏らしい、もくもくした雲も見ていない。夜になると澄んだ鳴き声も聞こえ、ああ、立秋をすぎるとほんとうに、秋の気配が濃くなっていくんだなあと実感する。

「しずかなる日々」。キナリノで、夏に読みたい小説として紹介されていて図書館サイトでポチった一冊。11歳の少年の、おじいちゃんちで過ごす一夏の思い出を描いたもの。朝5時に起きてラジオ体操に行き、廊下を雑巾掛けし、宿題を早めに終わらせ、テレビやゲームはせず、友だちとプールや自転車で出かけ...という、こんな小学生いるんかなあ、と、ちょっと御都合主義的すぎないか、と思うような主人公だったけれど、悪い人や悲しい出来事はあまり起きず、心優しいおじいちゃんや友だちに囲まれて過ごす夏のじかんは、確かに読んでいてとても心地よかった。大人が理想とするような子どもだなあと思っていたら、レビューに「中学入試で出る小説ナンバーワン」と書かれていて、なるほどとなと納得したのだった。

青い空に白い雲、首元を滴る汗、ひんやり冷えたすいか、水遊び、観察日記、早朝のラジオ体操、一夏の、ちょっとどきどきする冒険。懐かしい夏、が随所に散りばめられていて、夏っていいなあと素直に思える小説だった。確かに、夏っていちばん嫌いだけれど、いちばん、書きたい季節だなあと思う。私も今、小説をちびちび書いているけれど、夏が舞台だ。

それでは、また。

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