大学入試現代文の道標⓪~本記事の目的~

 皆さん、初めまして。現代文講師の竹中と申します。現在、予備校にて高3生及び高卒生に対して、ライブ授業形式で現代文を指導しています。

 本来であれば、この時期は予備校の1学期授業が既にスタートしているはずなのですが、新型コロナウィルスの猛威によりライブ授業は休講状態。こうした中、出講先のとある予備校では、ライブ授業に代わる新たな試みとして、Zoomを用いたオンライン授業がスタートしました。

 当初、僕はオンライン授業に対して不安を抱いていました。受験生とはいえ、ライブ授業に慣れている予備校生が、果たしてオンライン授業でどこまで集中できるのか・・・と。しかし、いざオンライン授業を始めてみると、皆さん本当に真剣に授業を聞いてくださり、授業後の質問や相談などもオンラインを通じてしっかりしてくれます。これはうれしい誤算でした。

◎受験生の置かれた状況

 ライブ授業に慣れているはずの予備校生が、なぜオンライン授業でそこまで集中できたのか。例年以上に皆さんが危機感を持っているからだと思います。新型コロナウィルスにより高校が休講となっていますが、大学入試の日程そのものは現在のところ変更はありません。つまり、ゴールすべき日時(入試日程)は決まっているのです。にもかかわらず、その準備にあたる学びの機会は決定的に減っている。だからこそ、置かれた現状に危機感を抱き、数少ない学びの機会を逃すまいとしているのではないでしょうか。パソコンの画面越しからではありましたが、そんな予備校生の切実な思いがひしひしと伝わってきました。

◎受験生の「自宅学習」のサポートに!

 そんなオンライン授業を重ねるにつれ、僕の中で一つの思いが芽生えてきました。「もしかしたら、そうした危機感を抱いている受験生は数多くいるのかもしれない。入試までの期日は刻一刻と迫ってくる。勉強しなければいけない。でも、授業もなく、何をどうしていいかわからない・・・もしそんな受験生が数多くいるのであれば、僕の専門科目である「現代文」で何か手助けできることはないだろうか?」この記事は、そんな思いから生まれたものです。学びの機会を少しでも広げるために。(仕事でもないし収入が入るわけでもないのに、なぜこんな記事をわざわざ書くの?・・・・と思う方もいるかもしれません。その疑いはごもっともです。でもね、勉強で困っている人がいれば何か力になりたいと思う、そして、そこに喜びを見出す。それが「講師」という人種なのだと思います。)

◎これからの「道標(みちしるべ)」を示す

 タイトルにありますように、本記事は大学入試現代文に向けてどのように取り組んでいけばよいのか、その手順や方向性を示すいわば「道標(みちしるべ)」です。僕自身が入試勉強時に感じた悩みや、これまで受講生から実際に寄せられた相談等を振り返りながら、僕なりの解決策を示していきます。その内容を大きく分けると、以下のようになります。

A「現代文」とは何を試す試験なのか?~評論と小説の違い

B「現代文」で試される力を、どう高めていくのか(総論、時期別)

C「現代文」で試される力を、どう高めていくのか(各論、項目別)

 まず、大切なのはAです。かの有名な中国の古代兵法家、孫子の言葉にも「敵を知り己を知れば、百戦危うからず」とあります。目標である対象の性質を知ってはじめて、その攻略の道筋が見えてきます。

 ということで、次回記事から具体的に「現代文」という世界をのぞいていくことにしましょう。微力ではありますが、この記事が少しでも多くの受験生の助けとなることを願って、筆を進めて参ります。それではさっそくはじめていきましょう!


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