留学生によるガツン!!と来る説得力
多様性と聞いて、なんかまたほわっとした言葉だなーっていうのが一番の感想だったのですが、最近具体的にその良さの一つを実感しました。
水曜3限「政治哲学」
これまで受けてきた授業で、いちばん活発で論理的な議論がされている。お題は安楽死やヘイトスピーチなど。
倫理もかかわるむずかしい議論をしてるのに、みんな具体例をぽんぽん出してくれるから理解できる。ほんまに賢い人ばっかり。たいへんだ
最近あつかうのは、アファーマティブアクション。
差別されている人々に対して特別に採用枠を増やすなど、優遇措置をとることで差別を是正しようというしくみ。
実際にはそんな特定の人だけ優遇するんこそがまた差別やん!みたいな批判などもある。
そんな中、これに賛成派の人は多様性のためにもアファーマティブアクションが必要だと主張しています。
いろいろとつっこむところはあるけど、とりあえず多様性に重点をおいてみると、、、
これをふまえて今日の議論。
日本人Aくん
「多様性が目的なら、アファーマティブアクションの優遇の対象は、その人の持つ知識で判断するのはどうですか?」
つまり『黒人』かどうかじゃなくて、白人だったとしても『黒人』についての知識を多くもっていて、議論するときにいろんな情報を出せる人のほうが、多様性に貢献するんじゃないか、という意見。
こうすれば、『黒人』だから優遇とするならそれこそ差別やん、という批判をかわせるというメリットも。
むずかしいですが、どう思いますか?
少数派の人がいるということより、少数派についての知識が必要との意見。
私は喉元まで思いが出つつも、論理的な意見は言えず、、、。
先生は「多様性が発揮されるのは議論するときだけではないんですがね、知識だけじゃなくその人が存在することに価値があるときがあります。habitusというのがあってー」と続ける。
でも日本人Aくんはあんまり納得していない様子。
先生とAくんが応酬するなか、留学生たちも口を開いた。
留学生たちの意見
まず韓国からの留学生
「知識からでは得られない、文字にならない感覚やニュアンスから学ぶこともたくさんあると思います。本だけでは日本のことはわかりませんでした」
さらに中国からの留学生
「知識が大事とすると、留学する必要・価値はないということになりますが、どうですか?」
言いながら別に煽った感じではなかったけど、余裕を持った笑みをしていました。笑
もう映画のような迫力でした。
ぐうの音も出ない。するどすぎる
聞いていて、これはあつい!!!と心の中で思いました。
実際に日本で少数派として苦労しながらも、かなり優秀にいろいろ学び体験しているんだろうなと端々から感じる彼らの言葉には、ものすごい説得力がある。
前日他の留学生から友達なかなかできないと相談されたこともあって、それを乗り越えてきててかっこいいなと思いました。
先生もとても説得的なことを説得的な話し方でおっしゃってたけど、留学生たちのバックグラウンドの凄みには勝れなかった。
議論は何をどう主張するかに加えて、誰が言うかもかなり関係してくる。議論そのものをもって、その場にいろんな人がいる多様性の良さを感じた気がします。
記憶に残るか残らないかの知識より、ガツン!!!と体に響く言葉から学べる、というのが多様性の一つの良さだなあと感じた経験でした。
おわり!
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