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大前研一「勝ち組企業のビジネスモデル大全」から企業分析の方法を学ぶ

 DMM booksが、購入金額から70% OFFのセールをやっていた時にまとめて買った本の一つが、今回取り上げたい、大前研一著「勝ち組企業のビジネスモデル大全」である。全体を通して、「企業」視点からの話に終始しており少し残念な感じはあったのだが、全編を通してほぼ共通している「企業分析の方法」は結構勉強になったので、自分なりに抽象化したものをまとめてみたい。

まずは市場とKPIの分析から

 まずは、その企業が属している市場規模や、それと関係するマクロトレンドの分析を行う。例えば葬儀屋さんであれば、葬式市場や、(需要に直結する)死者数の推移、高齢者の割合等の推移を整理する。同時に、全体的なトレンドとしての、葬儀単価や、葬儀のパターン(簡略化される傾向にある、等)も分析しておく。そうすることで、分析対象の企業が属する市場がどのように変化してきて、今後どのように推移するのか、を、分析することができる。

そのうえで、自社の現状と課題を整理する

 最初に調べて置いた市場トレンドや、関連マクロ指標の傾向を踏まえつつ、自社の現状から、問題点を整理する。ここでいう問題点とは、おおむね否定文で表現されるものだ。例えば、顧客単価が低い、回転率が悪い、半年後離脱率が高いetc、etc...。自社ビジネスの現状を整理したうえで、抱えている問題点を把握する。この「問題点の把握」にあたっては、競合他社との比較も、重要な手段の一つになる。問題点を把握した後は、それらを解決する方向性を決定する作業だ。例えば、「顧客単価が低い」という問題を抱えていたとしても、それを解決する方向性は様々だ。

●顧客に、同じ商品をより多く買ってもらう
●顧客に、似たような商品を買ってもらう
●顧客に、より高い価格帯の商品を買ってもらう
●現在の商品を値上げする
●そもそもコストを削減することで、低単価を問題でなくする
etc、etc...

それぞれの方向性について、何よりも顧客にとってどんな影響があるか、そして、競合や市場の影響等も考えながら、最終的に、問題を解決するための方向性を決めていく。この時点で、「否定文的な”問題”」は、「どうすれば~できるか」という”課題”に変わるのだ。大事なことは、「問題=課題」ではなくて、問題に対して、複数の選択肢からアプローチする方向性を定め、「どうすれば~できるか」という文章にしたものが課題だ、ということである。

課題が決まれば、打ち手の立案

 上記のプロセスを通して課題を明確にしてしまえば、あとはそれに対する打ち手を考えるだけだ。もちろんここでも、顧客にとっての視点を忘れるべきではないだろう。

 おそらく、大前氏(というか、この本のもととなった講座を受けた人々)は、上記のような思考プロセスを体得しているのではないか。そんなことを思いながら、27のケースを読んだ。

 最後までお読みくださりありがとうございました。いいな、と思っていただけたら、よろしければご購入ください!


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