[仮面浪人]きっかけはプライドだった

今日は浪人を決めたきっかけについて書きたいと思います。

このまま下を向いて通い続けるのか、でも浪人はできない。
その繰り返しを頭の中でぐるぐる何度も考えながら過ごしていた4,5月。

5月のゴールデンウィークが終わった頃のある日、今まではリモートだった基礎英語の授業が、初めて対面で行われることになりました。

いつものように京都駅からバスに乗って大学に向かい、指定された教室に。
誰もいなかったため窓側の後ろの席に座り、授業が始まるのを待っていました。

徐々に人も集まってきて、ふと前を見ると、見覚えのあるリュックとキーホルダーが。高校3年の時のクラスメイトでした。

そしてその時いちばんに私が思ったことは、懐かしいとか、ああ一緒なんだとか、そういう感情ではなくて。

なぜこの人と同じクラスなんだ、という感情でした。

基礎英語の授業は、入学前にネット上で受けた英語試験の点数を基に分けられるものでした。レベル別だということです。

そしてその見覚えのあるリュックの持ち主である彼女は、高校の頃、私と同じく文系私立大志望だったようで、数学や地学など、受験科目に必要のない授業は一切出席せず、必要な教科の授業の時だけふらりと教室にやってくる、という感じでした。

私自身、数学なんかはもう一切ついていけていなかったので、授業に出席しているというよりただ席にいるだけという感じでした。ただその空間にいるだけで、参加はしていない。実質彼女とやっていることは一緒です。

それでも、高校生の当時私は彼女のことが正直大嫌いだった。
両親に皆勤賞をとれと言われていた私には、授業を休むという選択肢がありませんでした。

おそらく授業を堂々と休める彼女が羨ましかったのです。多分私は両親が皆勤賞を取れとか何も言ってなくても、度胸がないからできない。それを自分でもわかっていましたが、とにかく私は彼女をずるいと思っていて、大嫌いだった。

そんな「ずるい」と思っていた人と、同じレベルなのか。

今思えば自分何様やねん!って感じですが、当時は本当に悔しくて、彼女と同じ大学だったことも、同じ英語レベルだったということも、許せないと思っていました。

さらにもうひとつ。
その英語クラスのレベルは、学校内で大体真ん中ちょい上くらいのレベルでした。それを知って、そのレベルしか英語力がないのに、あの大学を目指していたのか、ということにもショックを受けます。

これらが重なって、部屋の隅に積み上げていた高校の英語文法の教科書を取り出し、英文法の基礎の問題を解いてみることに。

すると、まあ間違える間違える。

そこで私は思ったのです。
あれ、ひょっとして全然基礎できてなかったんじゃない?と。

英語の文法は基礎の基礎です。受験期にもちろんやりましたが、やったつもりだったことにこの時気づきます。
基礎がグラグラの状態で、その上に難しい内容ばかりををどんどん積み上げていた。

よく先生が基礎が大切だと言っていましたが、私は自分はできていると思い込んでいたんだと思います。だから基礎を振り返る時間を多くとらなかった。

この、あれ基礎できてなかったんじゃない?と気づいてから、あれだけやり切ったと思っていた気持ちが、「もっとできることあるんじゃないか」というものに変わっていきます。

プライドが許さなくて、それがきっかけになって、自分の基礎を見直してみたら全然だった。自分の位置を知り、できることはまだあるんじゃないかと気づいて、もう1年挑戦したいと思うようになったのは、6月に入ろうかという時期でした。

その頃、私は母の勧めで車の教習所にも通っていて、個別指導塾のバイトもはじめていました。大学と教習所とバイトと。この状況で受験をどうするのか、決断の時を迫られていたのです。

そして、迷っていた私の背中を押したのは、、、

これはまた次のお話で。

最後まで読んでいただきありがとうございました。また今度。

大屋千風


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