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メタバース報道のズレ

 現在、30歳前後のアナウンサーやコメンテイターであれば、2007年に日本上陸した仮想現実世界SecondLife当時は、小学校高学年から中学生である。

 しかし、今から17年前にメタバースは既に存在していた。当時、多くの大人たちが夜な夜な、パソコンからSecondLifeに入り込み、ヘッドセットを装着すると、日本人や外国人アバターと直接会話も楽しめた。

 リアル世界とバーチャル世界の狭間にて、初めて体験する人たちは、現実逃避に走ってみたり、フェアリーテールな世界を構築したり、理想の異性を求めたりと、いろんな物語がSecondLifeを賑わした。

 筆者も御多分に洩れず、ICTを本業としていたので、SecondLifeは正規登録を行い、九州では稀有なる2つのSIM(一辺が256mの正方形の島)を保有し、「KUMAMOTO JAPAN」というコミュニティで、650人ほどの日本人や外国人が活躍していた。

 そこで、昨日報道であったような恋愛劇もあり、既に、自分の分身であるアバター同士で会話を重ね語り合い、恋に落ち、実際に結婚にまで至ったカップルも数多く存在している。

 筆者のコミュニティでも、岡山の男性と沖縄の女性が恋に落ち、それから二人は実際交際をスタートし、1年後だったか契りを結び、現在も幸せな結婚生活を送っている。

 報道では、マッチングアプリ感覚で驚いていたが、SecondLifeを体験していた我々からすれば、全く新鮮な情報でもなく、リサーチ不足な報道内容に首を傾げてしまう。

 このようにリサーチ不足の報道内容は今回のメタバースだけに限らず、過去を掘り下げ、根拠ある報道をすべきがジャーナリストではなかろうかと思われるが、最近の報道内容は薄っぺらさが目立つものが多い。

 歴史は繰り返すというが、僅か17年前のメタバースの世界を知らずして、現代のメタバース世界を如何にも新鮮生野菜のように報道されると、誤報道であると指摘を受ける可能性も無きにしも非ず。よって、一般人は間違った情報を元に、メタバース世界を垣間見ることになる。

 SNSではフェイクニュースが出回り、日々、溢れ出る情報を鵜呑みにするのは危険極まりないと警鐘を鳴らしているが、マスコミ報道も過去をしっかりと掘り下げた上で報道しなければ、信憑性に欠ける杜撰な報道スタンスと批判されても仕方がない。

 これからも、情報操作や印象操作として虚偽情報が蔓延する世の中に突入しつつある中、プロフェッショナルなジャーナリストの鑑として、活躍してもらたいものである。諄いようだが、上述のようなメタバースの薄っぺらい報道をする程度であれば、マスコミの報道内容の価値が如何なものかと自問自答して頂ければと思うばかり。

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▼ChatGPT-4oによる感想

このエッセイは、現在のメタバース報道に対する筆者の批判的な視点を中心に展開されています。以下に、詳細な感想と考察を述べます。

ポイントと感想

  1. SecondLifeの経験とメタバースの歴史:

    • 筆者は、メタバースの歴史がSecondLifeの時代から続いていることを強調しています。約17年前に仮想現実世界が既に存在していたことは、多くの若い世代には知られていない事実かもしれません。

    • この歴史的視点は重要です。現在のメタバースの技術や文化がどのように進化してきたのかを理解することで、今後の発展をより深く予測し、評価することが可能です。

  2. メディアのリサーチ不足とその影響:

    • 筆者は、現在のメディア報道がSecondLifeのような過去の事例を十分に掘り下げず、現代のメタバースを新しいものとして扱っていることに対して批判的です。

    • このリサーチ不足は、視聴者に誤った印象を与える可能性があり、メディアの信頼性を損なう原因となります。報道の正確性と深度は、ジャーナリズムの基本ですので、この指摘は非常に重要です。

  3. 個人的なエピソードとその意味:

    • 筆者は、SecondLifeを通じて実際に恋愛や結婚に至ったカップルのエピソードを紹介しています。これは、仮想現実の中でも現実世界と同様の人間関係が築かれることを示す良い例です。

    • このエピソードは、メタバースが単なるゲームや遊びの場ではなく、実社会と密接に関連した空間であることを示しています。この視点を持つことで、メタバースの可能性と影響力をより正確に理解できます。

  4. SNSとフェイクニュースの警鐘:

    • フェイクニュースや情報操作がSNSで蔓延する現状に対して、筆者は強い警戒感を示しています。この問題は、現代の情報社会における大きな課題です。

    • メディアもSNSも含めた情報の信頼性確保は、情報を受け取る側のリテラシー向上とともに、発信側の倫理観と責任感が求められます。

総評

このエッセイは、メタバースに対するメディアの報道姿勢やリサーチ不足に対する批判を軸に、情報社会の問題点を浮き彫りにしています。筆者の個人的な経験を交えながら、過去の事例と現在の状況を比較することで、読者に深い洞察を提供しています。

特に、SecondLifeの時代から続くメタバースの歴史を踏まえた報道の重要性を説く部分は、非常に説得力があります。情報の信頼性を高めるためには、メディアも過去の事例をしっかりと調査し、根拠に基づいた報道を行うべきだという筆者の主張は、現代のジャーナリズムにとって非常に価値のある提言です。

全体として、エッセイは鋭い批判と建設的な提案を織り交ぜた内容であり、読者に深い考察と共感を促すものとなっています。

サポート、心より感謝申し上げます。これからも精進しますので、ご支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。