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激安食材を美味しく作るのが、職人技!?

 或る高級料理店のオーナー料理人が、「激安食材を仕入れて美味しく作るのが、職人だ!」と、社内会議の中で豪語した。食材が揃わなぬ時代(昭和時代)であれば一理あるが、今の時代となっては時代錯誤となる。

 勿論、考え方として、「美味しく作る」はプロの料理人としては定石。しかし、高級食材を取り扱う高級料理店のオーナーが、そのような怪しげな発言をして良いのかと、首を傾げたことがあった。

 上の発言を読み解くと、日頃から水面下にて激安食材を仕入れて調理で誤魔化し、高額料金をお客様へ請求しているようで、お客様の姿は眼中に無く、「奢り」だけが見え隠れしているように思えてならない。

 高級料理店であれば、レアなる食材や旬の高級食材を調理してお客様に提供するからこそ、お客様は安心して何万円もの大金を支払い、高級料理を堪能し、満面の笑みにて帰途に着くのである。

 先日も、その地域では高級魚とは言えぬものを大量に仕入れて、それを歓送迎会メニューのメインディッシュとして公開していた。よって、高級料理店とは名ばかりで、ケチでセンスのないメニュー設定に驚いた。

 作為的に小手先のテクニックを使い提供するような料理であれば、本物の高級料理店とは縁遠く、危険な「駆け引き」のように見えてしまう。お客様を愚弄しているだけで、お客様への感謝の気持ちなど皆無である。

 更に、原価を極端に落とし、併せて料金を引き上げる手法は、信頼できる高級料理店とは言い難い。万が一、常連客がそれに気づき噂になれば、これまで同店が築き上げて来たお客様との信頼関係は一瞬にして吹っ飛んでしまう。

 コロナ禍を経験し、皆が息苦しい生活をせざるを得なかったものの、高級料理店として、それなりの高額料金を請求するのであれば、お客様が納得し、唸るような料理を提供すべきである。

 常連客は質の低下には過敏であり、ちょっとした食感の違いやソースの内容物についても気づいてしまう。従って、原価最優先にて、玉虫色の仕入れであれば、高級料理店と名乗ってはならぬ領域に足を踏み入れていることになる。

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